(2020.6.07 加筆・修正)
学級通信は、なぜ発行するのか・・。
こういう本質的な問いは、長くなるのでまたの機会に書くことにします。
今回お伝えしたい内容は「学級通信は読まれるためにある」ということです。
読まれなければ、書くことの労力は徒労に終わってしまいますから、まずは読まれなければ始まらない。ですから、どうすれば読まれる学級通信になるのかということを簡単に説明し、私が過去に書いた「学級通信」を1つの事例として提示してみます。
読まれる学級通信の理由
どうすれば読まれる「学級通信」になるのかというと、面白ければ読まれます。もう、当たり前です。
面白くて、ためになるならもっと読む。
面白くて、ためになって、我が子の様子が分かればもっともっと読む。
そういう記事を書きたいなら、最大のポイントは「自分が面白いと思うことを書く」ということになります。自分が面白くないのに、他人が読んで面白いといことはありえるかもしれませんが、ほとんどありません。
私は「学級通信」について随分と研究をしていた時期があります。どんな研究をしてたかも長くなるのでまたの機会に詳しくお伝えしようとは思っていますが、簡単に言うと、「読まれる文章」について勉強し、「読まれている通信」に数多く触れ、実際にこだわりを持って書き続けるということをしてきました。
その結果として、私の学級通信は自分で言うのもおこがましいですが、大変喜ばれました。「今までは、読んだらポイしてたのに、先生のは全部取っています。」という保護者の声や「先生、お母さんが「今日、通信でてる?」って言ってたよ」「お父さんも読んでるよ。」という子どもの声など、たくさんの嬉しい反応をもらいました。
そんな嬉しいことを言われたら、書かずにはいられなくなるので、がんばって、年間70号まで発行したこともあります(自分の中では多い)。
先日、職員室で学級通信の話題になったので、昔、どんな記事を書いていたのかな~と思い立って読み直してみましたら、やっぱり面白かったし、当時の様子が思い出されました。
私の書いた学級通信がお手本だと言うつもりは毛頭ありません。学級通信の書き方は人それぞれですし、どんな形であっても良いのですから。
ただ、私の書いた通信は喜ばれたので、1つの形として、1つの事例として紹介することで、もしかしたらヒントになるかもしれない……。
その程度のお話です。
上に貼り付けた広告の書籍、私が昔読んで勉強した本です。 学級通信も勉強して書くのと、ただ書くのでは雲泥の差が出ますので、どう書いたら分からないという人にはお勧めです。
昔書いた学級通信の記事を2つ紹介
どうする?バレンタインデイ(2008.1月 4年生の学級通信より)
来週から2月です。2月と言えば、バレンタインデイというイベントがあります。これは、女の子が想いを寄せる男の子に、チョコレートをプレゼントするという、チョコレート会社の戦略が広まったものです。
ロマンチックですねぇ~。女子諸君は、そこのところをどう考えているのでしょうか?ちょっとリサーチ!
「ねぇ~、バレンタインチョコ、誰にあげるの?」
すかさず
「先生にはあげないよ」
という返事が返ってきました。
「・・・・・・・・・」
いや、そういうことじゃなくて、「誰にあげるのか」を聞いたのです。あげない人筆頭に先生の名前を出すのも悲しいですが、4年生なら質問に答えて欲しいものです。
Aさん、Bさんが「友達にあげるよ」と言います。友達にあげるチョコを「トモチョコ」と言うそうです。
「ほほう。仲の良い男の子にあげるんだね?」
と確認すると、そうじゃなくて、女の子の友達に渡すといいます。バレンタインの意味を分かっていないようです。
Cさんは「お兄ちゃんにあげる」と言います。これは素敵な事だと思います。
「それは、お兄ちゃんは喜ぶだろうねえ」
微笑ましくて笑顔になりました。ところがCさんは、少し表情を曇らせました。
「でもね、高いのはあげないの」
と言うのです。
「前に、高いチョコをあげたら、ホワイトデイに、あまり良い物をくれなかったからね、今回は安いのをあげるの」と言うのです。
なるほど。
男子諸君は、ここの文章に線を引いて、しっかりと覚えておくといいでしょう。
Dさんにも聞きました。
「Dさんは誰にあげるの?」
「誰にあげたらいいと思う?」
「そりゃあ、好きな男の子にだよ」
「好きな男子、いないもん」
お話になりません。
これは、男子諸君にも責任の所在があります。もっと魅力ある男子にならなくてはなりません。ほら! 消しゴムに鉛筆をさして遊んでいる場合じゃないぞ!
ちょっとした話 第108話 ハンバーガー(2008年)
給食はお盆の上にすべて置いて食べます。机の上に直接置くのは不衛生ですから。
昨日、ハンバーガーが出たんですが、Eくんが、机の上に直接バーガーを置いているのです。
「Eくん、それはお盆の上に置いた方がいいんじゃないか」
と注意したんですが、Eくんはまぶしい笑顔で「大丈夫!」と言うのです。
何が大丈夫なのか、さっぱり意味が分かりませんでしたが、Eくんはボロボロとパンのカスを床にこぼしながら美味しそうに食べていました。
感想
いかがだったでしょうか。くだらない話だったでしょう。
くだらなくて面白い話は読まれます。
真面目でお堅い文章は、読まれるかもしれませんが、面白味に欠けます。
面白くなければ読者は離れていきます。
上記に例示した2例は、「ちょっとした話」です。
私は新聞記事のように、一面には真面目な話を載せ、2面、3面に当たる部分には、このように息を抜いて、ただ様子を想像して楽しめるような記事にしましたら、大変喜ばれました。
そして、学級通信を通じて、学校の様子を家庭で話題にすることができたようです。学級通信には様々な効果があるので、それもまたの機会に記事にしてお裾分けしていく予定です(今のところですが)。