「不審者情報」というのが学校で共有されています。同じ地域の不審者情報は、すべて全学校に連絡が届くようになっています。子ども達にはどうしたらよいのかを教えますが、それだけで十分なのでしょうか。もちろん、これで万全だということはないのでしょうけど、学校で教えること以外にも大切なことがあります。
警察が教える不審者対策
学校にくる情報で多いのは以下の3つです。
・電話番号を聞かれた。
・おやつを上げるから家においでと言われた。
・公園にあやしいおじさんがいた。
児童の安全は学校としての使命の1つですから「防犯教室」という特設の授業をします。専門家である警察の方に来ていただき、防犯のための大切なことを教わるのです。
基本は「いかのおすし」。
「いか」・・・いかない
「の」・・・・のらない
「お」・・・・大声をだす
「す」・・・・すぐ逃げる
「し」・・・・しらせる
ということです。このような授業を受けると、子ども達はよーく理解したような態度を取ります。・・・本当かな?
私は、これでは足りないという考えです。
ですから防犯教室が終わった後は、必ず教室に戻ってから追加授業をしていました。担任を持つと、不審者情報があるたびに言い聞かせます。それは、
不審者は不審者だとは分からない
不審者だって、詐欺師だって、おおよそ普通の人に見えます。
いえ、普通どころか優しい人すら見えるはずです。
そして、礼儀正しく、好感を持てることもあるでしょう。
だから危険なのです。
それで、とにかく集団でいることが最大の防御であること、人目の多いところで過ごすこと、夜の徘徊はもってのほかだということを教えます。
「あのね、戦っても絶対にかてないからね。」とも。
すると、威勢のよい男子は
「俺は勝ってやる!」
なんて勇ましいことを言う場合もありますが、
「勇敢と無謀は違うんだぞ!」と戒めます。
大人対子どもは、車対人ぐらいの差があります。
とにかく「いかのおすし」は重要だけれども、もっと重要なのは危険察知能力を高めるということで、そのためには、油断しないことだということを真剣に伝えます。
そして危険察知能力に自信がないのなら、やっぱり集団でいることと、人通りの多い道を選ぶことです。
とにかく、知らない人は怪しいと心がけること!
怪しい人を発見!
ある日、放課後に校区内をパトロールしていたら、落とし物をして探している児童を発見しました。それで、車を横付けにして、
「どうしたの?」
「あっ、先生。落とし物をしちゃったんです。」
「そうか、どんなもの?」
「キーホルダーの先が取れてないんです」
「そっか、それは見つからないかもしれないね。いつから無いの?」
なんて話をしていたら、たまたまパトカーが通りかかって、警察の方が側に止めて職務質問をしてきました。
「いえ、私は教師です。そこの学校の教師です!」
と言ったんですが、かなり疑ってました。
警察の目が鋭かった・・・・。
小さなお子さんを持つ親御さんは、必ず我が子に伝えてください。
いくら親切そうに見えても、知らない人ならば1対1の状況にならないこと。
集団でいれば安全だということも。
それは、大きな魚や鳥たちから狙われている小魚たちが証明しています。
・・・・うん? 証明し切れていないか・・。