職員室には様々な人がいます。みんな同じ「教師」ではありますが、みんな違います。その違いは教室にも自分の机にも表現されています。
今回のお話は、職員室の机です。物が散乱している人もいれば、きちんと整理整頓されている人もいます。ちなみに、私はその中間ぐらいかな?ほどよく散らかっていると自分では思っています。
整理整頓の理由
いつも整理整頓が行き届いている同僚の先生が
「なんかちからってきた。本が曲がっているのも気になる」
と言って、整理整頓を始めました。ふと、私は
「ところで、どうして整理整頓するの?」と質問しました。
同僚の表情は、なんて馬鹿げたことを聞くのか?と言っていて
「どうしてって、綺麗になったら気持ち良くないですか?」
と答えましたので、さらに追加質問です。
「では、どうして綺麗になったら気持ちいいんですか?」と。
「普通はそうじゃないんですか?」
「普通かどうかは聞いていません。あなたはなぜ気持ち良いと感じるのですか?」
「うーん、考えたことなかったな~。そう言われればどうしてなんでしょう?」
「きっと理由があるはずだよ。綺麗なら気持ちが良いが普通だとすれば、みんな綺麗にしているはずだけど、そうはなっていないでしょ?」
「うーん・・・・綺麗にするってことは、物を大切にするってことだから・・・」
「じゃあ、どうして物を大切にすると気持ちがいいんですか?」
「物が喜ぶから?」
「かなり良い線いっていると思うよ。物が喜ぶってことはどういうことを言っているのかな?」
「うーん、なんだろう?」と思考停止したので、最後の仕上げは説明することにしました。
物が喜ぶってことは、物にも心があるって知っているからだよ。例えば、このペンギンの置物が自分だとして、今は飾られているけれども、机の中にしまわれたらどう思う?
「飾って欲しい」
うんうん、そういうことだろうね。実は、すべての物には魂が宿っているということを知っているから、整理整頓すると気持ちが良い、つまり、物が喜んでいるということが伝わってくるから気持ちがいいんだろうね。
「あー、そういうことかー!」
整理整頓ができない理由
では、整理整頓しない、もしくは出来ない人はどう説明すれば良いのでしょうか。私なりに考えた結果、2つの理由が存在します。
1つ目は、ちらかっている状態が気にならない。気にならないから整理整頓する必要は生じません。物に無頓着でしょうね。
2つ目は、本当は気になっているけど整理整頓できない。それは整理整頓するエネルギーの枯渇です。心身ともに疲れ切っている状態で掃除などできるわけありません。よく、整理整頓したいんだけど、時間がないという理由を聞きますが、私の考えでは関係ありません。時間は生み出せます。または優先順位を変えればいいだけですから。
では、子ども達に整理整頓を強制的にさせるのはどうなのか?
私は普段あまり強制はしませんが、整理整頓させる時間は設定します。
ロッカーやお道具箱を整理整頓させると、たいていの子は「きれいになって気持ちいい」と言います。つまり、そのような体験と経験を起こし、物を大切にしたときの心の動きを感じさせるためなんです。
それで、それをやらせる先生の机が乱れていたら、子ども達に言えない。
だから、先生達には教室を綺麗にしてくださいと言うし、私も常にそれなりに綺麗にしています。それなりぐらいが子ども達にはちょうどいいですし。
今回は整理整頓の理由というタイトルですが、実はすべてのことには理由があります。そして、目的もあります。目的にアプローチしているのがアドラー心理学です。でも、理由があり、目的があるのです。その両方を深く知るためには、対話が必要なんだなーということが今回のまとめです。