ロストジェネレーションとは、失われた10年という意味だそうです。就職氷河期の世代、今の35歳ぐらいから45歳ぐらいのことを示すそうです。この時代に何があったのかを少し振り返ってみます。ちなみに、私はこの世代ですから、よく分かっているつもりです。
ロストジェネレーション
まず、バブル経済が崩壊しました。
次に、当然ながら日本経済は不景気になっていきます。
打開策として、派遣社員というのが法案でゆる~くなり、企業は非正規社員として人材を育てることを捨てました。リストラの嵐、そして終身雇用の崩壊。
そうして、就職難時代が訪れます。これが約10年続きます。
大学生だった頃の私は、よく次のような言葉を耳にしていました。
「自分の時間が大切だ」「仕事のために生きているわけではない」「自分の好きな仕事をしよう」「個人主義の時代だから、自由でありたい」「フリーターを何年かやって、本当にやりたいことを見つける」「面白いことをやろう」などなど。
その中で生まれし教育政策が「生きる力の育成」であり「総合的な学習の時間」であり「ゆとり教育」の誕生であり、「週休2日制」であると、私は見ています。
その中の「ゆとり教育」は、その後「学力低下問題」となって問題視されていきます。学力テストの復活により、問題はさらに深刻そうに見えます。「ゆとり教育」は失策であり、教育界は何をやっているのだ!みたいな感じの論調です。
あのねー、違うんですよ。
世の中の流れを見れば一目瞭然です。
「ゆとり教育」が先に生まれたのではなく、教育は世の中の動きに追随するのです。つまり、世の中の動きが先なんです。それを教育界は!とされては、まあ、してもいいですけど、本質的な問題の解決は見いだせないというのが私の主張です。
話がそれてきたので戻します。
ロストジェネレーションの見直し?
今朝、ニュースでこの就職氷河期世代の活用みたいなのをやっていました。宝塚市で正社員を3人募集したところ、1600人の応募があり、最終的に4名が採用、400倍ということでした。続けて、「今、就職氷河期世代ならではの強みを活かす」というような流れになり、見直されつつあるということらしいのです。
うん?
400倍では見直していることには全くならないのではないかな?
続けて、採用された人の特集が・・・。
その人は、資格をたくさん取り、自分の力を高めてきたということです。
逆境にもめげずに努力し、400倍を通過したのですから本当にすごいことです。
ただ「資格」にひっかかります。
何が言いたいのかというと、私もその世代ですから、その当時「資格を取れば何とかなる」みたいなのが流行したのを知っています。でもね、資格をたくさん取ったから採用されたと言う話はあんまり聞かなかった。
ということで、私の認識では、世の中は「資格産業」が起こり、就職に苦しんでいる人からの更なる搾取だったのではないかと考えています。
続けて、不採用になった人の特集が・・・。
その人は、学生時代に「語学留学」というのでカナダに行っていたそうです。その能力を仕事でも活かしたいと願ったようですが、就職難で非正規社員へ。
「語学留学」も大変流行していました。海外での「ホームステイ」も流行していました。それは若者にとっては良い経験であることは確かです。世界を知るということですから。でも、それが就職と直結するとはちょっと考えにくい。
語学よりもタフさがその当時は求められる時代です。つまり、時代に合っていない。逆に「語学」というのが本人の就職を難しくしたのではないかな?と思っています。
次の10年先はロストしている
教育界は、次の10年を見据えて、新学習指導要領を発表しました。
次の10年は・・・・・「予測困難」なんですって。
日本の政治は、次の10年を予測できないと言っているのです。
先ほども書きましたが、教育は世の中の動きに連動します。そして、世の中の動きが先です。つまり、世の中が「分からない」と言っているから教育界も「分からない」と言わざるを得ない。
完全にロストしています。
ロストジェネレーション世代って言うけどね、本当は、みんなもずっとロストしているんじゃないかな?というのが私の認識です。
ロストジェネレーション世代は、就職や希望、青春ややりがいなど、さまざまなものをロストしたのかもしれません。それは前の世代との比較によって感じさせられているだけです。しかし、全ての世代、つまり日本であり世界もまた、目指す場をロストしているんじゃないかな?
全ての出来事は連動しているため、話が脱線しやすくなってますね。
記事はまとまりを見せていませんが、無理矢理まとめます。
無理矢理感たっぷりのまとめ
世の中の流れは振り子のようなものです。たいていは片方に寄り、行きすぎた結果、また逆方向へ振れはじめ、そしてまた片方に寄り過ぎます。
もう、どうしようもないのですが、そのどうしようもない中でも、もがきながらでも、求め続ければ必ず光が見える時がきます。
だから、社会が悪いとか、時代が悪いなんて言わないで、自分を信じて進んでほしいのです。就職に関しては振れ戻りが起こりつつあります。もう少しで世の中の動きが変わるはずなんです。
ロストジェネレーション世代の正規採用への不採用者は、毎年10万人程度いるそうですから、10年で100万人の計算になります。
正規採用されたから幸せって事も実は危うい考え方ですが、それを目指しているのなら、もう少しの辛抱です。その時期が来るまで、自分の人生を楽しく過ごしてほしいと応援しています。
ちなみに、職種を選ばなければ、ほとんどの業種で人が足りていません。
少子化と大量退職により、さらに加速するはずです。
そして、大都会よりも地方の方が素敵な仕事がありそうですよ。
「ジェネレーション」についての込み入った内容を書いたので、軽い気持ちでジェネレーションの話に触れたい方は、「ジェネレーションギャップ」も読んでみてください。こちらは、お気軽な記事になっています。
この時代とその後の現実を知りたい方はどうぞ。