Nayunayu先生 ~愛のある教室~

現場教師の21年間の実践理論

「うつ病」 第2回 ~始まりの物語~

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「うつ病」は、周りから見ると「怠けている」と見られがちです。体の病気ではないため理解されず「メンタルが弱い」とも思われがちです。そして「社会人として失格じゃないか」という攻撃を受けます。

 

 もう、全部違います。まったく違います。

 人はそんなに弱くないし、生まれてきた理由を考えれば、どんな人でも光を求めているし、自分の中に光を持っています。ただ、今は光が見えず、自分の中の光も感じられず、どうすることもできないというだけなんです。

 

 今、不登校の子を抱える母親の面談を進めていますが、間もなく終わりそうです。

 およそ4ヶ月かかっていますが、とてつもない早さで進んでいると実感しています。

 先日は、母親の両親が突然同伴してやってきました。

 子どもにとっては祖父と祖母にあたります。

 これはチャンスだと思い、祖父、祖母の順に面談しました。その面談の中で、祖父は最初心を開いておらず(私と初対面なので当然ですが)、強気発言を繰り返し、なかなか本音を言いませんでした。しかし、面談を続けていくうちに、自分の娘がとにかくずっと心配だったことを話し始め、「俺じゃダメだったんだよな―」と言い、今の娘が元気になってきた姿を見て「娘が元気になるなら、もういくらかかってもいい」と私に言いました。祖母の時も同じような流れになりました。

 

 みんな、どうにかしたいと願っているのに、どうすることもできないだけなんです。ですから、どんな人でも光を求めていると信じることをしないと、回復は始まりません。そして「うつ」と関係が深い「不登校」の今回の一件は、親子4代に渡る物語なのです。

 

 

始まりの物語

 始まりは幼少期です。愛と不安の2つの感情を持って生まれた赤ちゃんは、不安から泣き、泣くと母親がやってきて愛を感じます。不安→愛を繰り返すうちに、「自分は愛されているのだ」ということを実感していきます。

 愛着の形成です。

 3年ほど経つと、愛に包まれた幼児は、なんでも自分でやってみたくなります。経験したくなるのです。ところがうまくいきません。でも、泣けばお母さんが来てくれます。だから、何度でも挑戦しては不安になり、お母さんの元へ戻っては出かけていきます。そうして自分の世界を自分で経験し続け、自己肯定感というのが育っていきます。

 6年ほど経つと、少年や少女になった子ども達は、なんでもできるようになってきます。さらに数年で知的好奇心は最高潮になります。ギャングエイジです。

 この時期には、交友関係でのトラブルもたくさん学びます。失敗もするし、悔しい思いもするし、嬉しいことも楽しいことも全部経験します。不安は幼少期に何度もお母さんの愛によって克服した経験があるので、大丈夫なんです。何度でも立ち直り、その子なりに進んでいきます。トラブル=ストレスとはなりにくい状態が生まれています。

 少年・少女たちは10歳になります。もう、育児は終了です。あとは、自分ですべて選び、進んでいきます。自分ですることの責任はすべて自分で引き受けるようになります。親は、子ども達の成長を喜び、金銭面、住居、食事のサポーターとして、または時々相談者としてのみ存在し、育児からは潔く清らかに喜びを持って立ち去ります

 

 上記の状態は「うつ病」と無関係です。「不登校」や「ひきこもり」とも無関係です。

 

 何が言いたいのかというと、「うつ病」の始まりは、ストレスではなく、生育歴だということです。生育歴の中の「愛」に関する物語だということなんです。

 そもそも、ストレスというのは、必ず世の中にあります。大きかったり、小さかったりはしますが、そのストレスを乗り越えることも学びであり、大きな仕事に挑戦することも学びなのです。昔の方が今よりもストレスが多かったということは、おそらくありません。現代社会は明らかに昔よりも豊かになっていますから。

 ただ、この「豊か」というキーワードも重要なんです。でも、ややこしいので、「豊か」については、また後日にします。「うつ」はとにかくややこしいんです。

 続けます。

 

 そう理解していくと、1つの真実が見えます。

 それは、「うつ病」というのは、本人の問題だと思われがちですが、生み出したのは周りなので「周りの問題」なんです。その周りの第一人者は「家族」であり「母親」です。これはもう疑う余地もありませんが、信じたくない人もいるでしょうから、信じなくてもかまいません。ただ、信じることができなければ終わりません。この辺が難しい課題の1つですから、無理に信じてほしいとは言いません。仕方がないことですから。

 

 続けて、ここでさらにややこしい問題が見えてきます。

 それは、なぜ母親はそのようにしたのかということです

 母親だって、そうしたかったわけじゃないのです。

 でも、仕方なかった。

 母親も、もがいていたという真実を理解する必要があります。

 これで3世代です。

 

 本人、母親、母親の母親(祖母)。  ずっと続くのですが。

 

 これを世代間遺伝と言います。

 始まりの物語は幼少期であり、本当は母親の幼少期であり、もっと本当は祖母の幼少期であり、それぞれに社会情勢が加わり、社会規範意識が加わり、問題をさらに複雑化させて見せています。

 

 

「うつ病」を回復させるということは、この絡まった糸をほぐしていくという作業になります。そして、さらにややこしいのは、その糸をほぐすのは、本人しかできないということです。支援者が糸のほぐし方を知っていて、かわりにほぐしてあげるということはできないのです。あくまで、本人の作業になります。

 

 私がカウンセラーが突破口だと言っているのは、そのためです。

 専門知識を持ち、根気強く対話を続けることを仕事としている人がカウンセラーです。その辺にいる上司や友達では、話は聞けるかもしれませんが、回復の手助けはできません。まして、母親は問題の原因を産みだした人なので、問題が悪化するだけです。

 

 

 本当のことをたくさん書いたので、信じられないとか、信じたくないとか、気分を害したわと言う人がいるかもしれません。信じない方が幸せなら、それで良いとも思っています。むしろ、そっちの方がいいでしょう。

 

 この記事は、うつで苦しんでいる人の役に立ちたいと、ただそれだけで書いています。とにかく、カウンセラーを捜すことです。そして、見つけて終わりではありません。根気強く、粘り強く、あきらめないことです。

 状況にもよりますが、軽度の場合でも最短6ヶ月はかかると思って間違いありません。スタートラインに立ってからの最短ですから、そこに立てるまでにどれくらいかかるかは未知数です。

 

 でも、うつは治ります。治るというか、回復します。

 

 今回の記事の最後になります。

「うつ病」というのは「悪いもの」と周りは決めつけていますが、本当は違います。

 うつは悪いものでもないし、良いものでもないのです。

 いえ、より大きな視点で見れば、うつは進んだ状態です。

 

 そのうち、そのことについても書きますね。 

 

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