川を眺めていたら、船が一隻通りました。
その船を追いかけるように、距離は離れていますが、たくさんの波が追いかけます。
そして、しばらく経つと、何事もなかったように元の姿に戻りました。
そうか、すべては自然の姿に還ろうとするのだなと妙に納得しました。
船は波のない流れている川を川上へと力強く進む先駆者のようなもの。
いくつもの波が後を追いかけます。
船が切り開いた道を、いくつもの波が次から次へと追いかけます。
波は、先駆者に反応して追いかける人々。
おそらく船は、波のことなど考えてなどいないでしょう。
ただ突き進んでいるだけです。
でもそれは、川自体に大きな影響を与えます。
しかし、時が経てば元の姿に・・・。
波立っている川には勢いがあります。
しかし、船がいなくなれば元の姿に・・・。
できるならば、自分が船の存在でありたいと思う反面
でも、美しいのは自然の姿なんだろうな・・・と、感慨深くなりました。
ああ、そうか。
求められる先駆者の姿がはっきりと見えたような気がしました。
すべては自然の姿に還ろうとするのならば、世の中は現在不自然で、それは自然に反する川上へと進んでいる船が多いからなのだと。
世の中が波立っている状態ならば、船は川下へゆっくりと穏やかに流されていくことで、波を静めることもできるでしょう。
自然の姿が美しいのなら、たとえゆっくりであっても、それが自然ならば、自然の姿に還ろうとする人々の心にも必ず影響するでしょう。
川上へ向かおうとする波の抵抗力が、たとえすごいものであっても、
それを打ち破って進むのではなく、その抵抗にもあらがうことなく
ゆっくりと、悠然と、穏やかに、その波を感じながら、流されていく船が
求められている先駆者なのでしょう。
今日は、朝からなんだかしんみりとしています。