教師になったのなら、子ども達を健やかに育てたいと願うでしょう。
でも、力なくして子ども達に力を与えることなどできません。
授業力や学級経営力などは、総じて言えば教師力ということになり、教師力は人間力へと繋がっていきます。
事細かな授業実践や学級経営実践は細かすぎるのでここでは述べません。
今回は、その根幹となる「教師力」を伸ばすための実践をお勧めします。
教師力を伸ばす3つの実践
まず始めにお断りしておかなくてはならないのは、すべて難しいです。
「簡単そうで難しい」が適切な表現かもしれません。
もし、実践に移すことができたら、実践した時点で変わることを保証します。
1 師を見つける
何を聞くかではなく、誰に聞くかが最重要です。
たくさんの人の意見を聞くというのは、聞こえは良いですが混乱するだけです。
自分の核となる部分が形成されているのなら、たくさんの人の意見は大切ですが、ふらふらしているのなら悪影響でさえあります。
職場には、必ず一人や二人は力のある先生がいるはずです。
困ったり悩んだりしたら、その人に聞くことです。
それは、隣の席で聞きやすいとか、同じ学年だから聞きやすいということではなく、たとえ聞きにくい人であっても、力のある人に聞くことです。聞かれて嫌がられるということはないので安心してください。
ただ、師を見つけるコツにもなりますが、注意が必要です。
自分がネガティブで負のエネルギーがたまっているのなら、側に居る人はだめです。遠くにいる人が師です。
自分がポジティブで正のエネルギーがたまっているのなら、側に居る人が師です。
人は、自分と同じエネルギーを持つ人を引き寄せるので、自分の状態をまずは自分で把握してください。
2 本を読む
暇さえあれば本を読んでください。本は教育書でなくてもかまいません。教育書は「授業力」及び「学級経営力」を高める実践的な力にはなりますが、「教師力」の土台とも言える「人間力」にはなかなか結びつきにくいからです。
借りてもいいし、買ってもいいです。
おそらく、本を読み続けると良質な本については側に置いておきたくなるので「買う」ということを選ぶと思いますが、とりあえずはどちらでもかまいません。
ただ、借りるとあまり読まない、買うと読むという傾向はあります。
なぜなら、お金を出して買っているから「なんか読まないと損しちゃうな」なんて思ってしまうからです。お金を出して買ったけど読んでないということもありますが、それは「積ん読」という立派な読書です。
本の読み方についての記事も書いたので、合わせて読んでみてください。
3 実践しまくる
知ったことは、行動を通さない限り全て忘れます。
知っていることと理解していることは全く違います。
とにかくやってみることです。それしか方法はありません。
仏教では使える知識のことを「智慧」と呼んでいます。
智慧という武器が「教師力」に直結しているとも言えます。
もちろん、失敗もするでしょう。しかし、失敗など存在しないのです。
「それでは上手くいかなかった」ということを知ったということだけですから。
だから怖れる必要などなく、怖れなくてはならないのは「失敗を怖がっている自分」です。
とても簡単そうに書いていますが、実践すれば分かります。
知ったけどやらなかったことは、すべて忘れるということを。
あるいは、知ったつもりになっているけど、全く分かっていなかったということを。
最後に
何もしないで子ども達がすくすく育つということはなく
何もしないで素敵な先生になれるということもあり得ません。
情熱や熱意さえあればというのは間違いです。
それは、先に述べた3つを実践するエネルギーがあるというだけです。
若さとは、その情熱や熱意を無条件で持ち合わせていることです。
(最近は、それがない若者も多いですが・・・・)
働き方改革という聞こえの良い言葉が流布していますが、そして、それはそれで大切なんでしょうけれども、「教師力をつける」と決めるのなら、どこかで「働き方改革」という言葉を捨てなくてはできないでしょう。
そしてできることなら、楽しんで実践することです。
毎日のように変わっていく自分、どんどん変わる子ども達の反応。
楽しみながらやる努力が「素敵な努力」です。
※努力については、少々ややこしい内容になりますので、近日中に記事を公開します。