Nayunayu先生 ~愛のある教室~

現場教師の24年間の実践理論

子どもが元気な時

f:id:Nayunayu:20210506214748j:plain

「元気」という言葉はひどく曖昧です。そして、多くの人たちがよく分かっていません。「元気な挨拶」や「元気よく遊ぶ」は一般的によく使われていますが、では「静かな挨拶」や「静かな遊び」は元気がないのかと言えば、そうとも言い切れません。また、「元気がいい子」というのは分かりやすいですが、「静かな子」だって元気です。どうも、「元気」=「活発」という印象があるようなので、少し掘り下げてお伝えしていこうと思います。

 

元気なんじゃなくてうるさいだけ

 同僚の教師に、とても元気な子がいました。

 飲み会になると、とにかく騒いでいる。

 うるさいんです。

 そして、何か深みのある話をしているのかといえば、そうでもない。

 周りの先生方は

「元気があってよい」とか「若者らしくていいんじゃないか」とか言ったりしていましたが、私は真っ向から反対します。

「元気があるんじゃなくて、ただうるさいだけだ。」

「若者らしさが、このうるささだとすれば、若者に失礼だ。」

「いいか、君はうるさいから、少し静かにしてだね、せっかくの機会なのだから、もっとためになる話を聞いて回ったらどうだ? ストレス発散は結構だが、その調子だと大切な機会を逃し続けるぞ。」と伝えました。

 

 これは一例に過ぎませんが、このように「元気」は「騒がしい」と同異義語のように使われているのが気になるのです。そして「静かに元気な子」は、周りから元気がないというレッテルを貼られ続けてしまいかねません。

 

元気とは何か

f:id:Nayunayu:20211019234130j:plain

 言葉は曖昧ですから、これから説明することも全てではありませんが、なるべく分かりやすく私見を述べてみます。

 私が理解している「元気」とは、エネルギーが充足している状態です。

 そのエネルギーをどう出すかはその人によって変わりますが、ある特徴があります。

 元気な子ども、元気な大人、元気な男性、元気な女性、元気な老人、元気な大学生などなど、様々な立ち位置によって変わりますが、総じて言えるのは、その年代らしいことをやる意欲がわくということです。

 これを子どもで考えてみます。

 子どもですから、子どもらしい感じが出ていれば「元気」ということになります。すると、子どもらしいとは何かということになりますが、私のこれまでの経験から言わせてもらえば、次のような特徴が見られます。

 

・何かに夢中になる(子どもならではのもの)。

・おしゃべりになる(自分の事を聞いてほしい)。

・よく笑う(感性が豊かに動く)。

・他人に興味を示す(誰かと繋がりたい)。

・くだらないことを言う(そもそも子どもはくだらないことが好き)。

 

 ある男の子が休み時間に紙を丸めて剣を作ったりボールを作ったり、キャッチャーミッドを作って楽しそうに遊んでいました。

 ある女の子が、折り紙の「パックンチョ(でいいのかな?)」を大量に制作し、「100個作った!」と喜んでいました。

 ある男の子が、帰りの会が終わって帰る時、「さらば青春!」とふざけて言って自分で笑いながら帰って行きました。

 あるグループがドミノをひたすら作り、それが成功するまでひたすらチャレンジしていました。

 班でトランプをやらせてみたら、時間を忘れて楽しみ、あちらこちらから笑い声が聞こえてきました。

 ある子が私の持っているスタンプを全種類ノートに押していました。

 

 これらのことは、元気な時に表れる行動のごく一部です。

 逆に言うと、以上のような行動が見られるときは「元気である」と認定して大丈夫です。多少の壁があっても楽しみながら乗り越えてゆきます。

 結果として活発にもなりますが、うるさい活発さではなく、どこか子どもらしい自然な活発さです。キーワードは「夢中」です。夢中になって取り組んでいるとき、その人は元気です。健康かどうかは関係ありません。

 

元気があれば何でもできる

f:id:Nayunayu:20211019234215j:plain

 有名な言葉ですね。

 アントニオ猪木さんの言葉です。

 あまり考えずにマネされていますが、大切な事を言っていると思っています。

「元気があれば何でもできる。」

 それはつまり

「元気がなければ何もできない。」

 ということも言っています。

 

 元気がないなら学校の勉強はもちろんですが、家庭学習もお家でのお手伝いも習い事も全てが苦痛です。だからまずは元気にすることです。うるさい元気じゃなくて、本当の元気。それができれば、あとは子ども達が自分で道を切り開きたくなるので、それを邪魔しないで見守ることが大切なのです。

 

 教育に関することで書いてみましたが、子育ても同じです。

 

 最後になりますが、元気なのかどうかの判断方法を紹介します。

 

1 本当に元気な人を見たら、元気になれます。

2 偽の元気な人を見たら、うるさいな~って気持ちになります。

3 本当に元気な人は、周りの目をあまり気にしていません。

4 偽の元気な人は、周りの人の目を気にして元気に振る舞っています。

5 本当に元気な人は「自分は元気だ」とは言いませんし考えていません。

6 偽の元気な人は「自分は元気だ」と宣言しがちです。

 

 何かの役に立てば嬉しいです。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。