Nayunayu先生 ~愛のある教室~

現場教師の24年間の実践理論

冬休みに賢くなる方法

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 いよいよ冬休みになりました。学校では「冬休みのきまり」とか「冬休みの過ごし方」なんてプリントを配布します。そこには「規則正しい生活をしましょう。」というような事が書かれています。まあ、それはその通りなので、異論はありませんが、ちょっと違う視点から提案します。

 

冬休みに賢くなる方法  Chapter1「賢さ」とは・・・

 まずは「賢い」とは何かということを考えてみます。

「頭が良い子」というのが分かりやすいかもしれませんが、「頭が良い」には大きく2つの側面があります。大抵の人は、おおむね片方の側面だけを見ています。

 それは「暗記」です。

 知識ということで、つまりは教わったことを正確に覚えているということ。これはテストの結果にも出るし、いずれは高校受験などにも関わってきますから、学力というと「暗記」というのが分かりやすいからです。人はどうしても「結果」が見えるという理由からそれを全てだと思いがちなのです。

 学力の主軸として君臨しているわけですから、大切であることは否定しません。既習事項というのが次の学習の素地にもなっているので大切です。しかし、未知のものに出会ったときに発揮される「頭の良さ」は別物です。物事を深く考え、自分なりに答えを見つける子を見ると「賢い子だ」と感じるはずです。それが2つ目の「頭の良さ」です。

 それは「臨機応変力」「判断する力」「考える力」「試行錯誤する力」など、表現方法は色々ありますが、総じて言うならば「自分の頭で考える力」です。未知のものに出会ったとしても、なんとか創意工夫しながら問題を解いていく、そんなイメージです。

 

「賢い」というのは、それら両側面を兼ね備えることと私は考えています。「賢者は愚者からも学び、愚者は賢者からも学ばない。」という有名な言葉があります(誰が行ったのかは忘れました)。

 ある現象を見て、賢い子は様々なことを発見し、気付き、教わってもいないのに理解し、自分なりに表現していきます。10を聞いて12ぐらい知ってしまう、そんな子が「賢い子」と定義してよいでしょう。

 

冬休みに賢くなる方法 Chapter2 賢くなる過ごし方

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 賢くなる過ごし方というのは、どうすれば良いかという方法を説明します。

 まずは当たり前ですが宿題です。ドリルやプリントなどの問題集なんかを使って、これまでに学習したことを復習します。これは、1つ目の「頭の良さ」である「暗記」や「知識」にかかっています。ドリルに加えて家庭学習なんかにも取り組めれば完璧でしょう。たいていの場合は、これができていればOKだと思ってしまうほど、日本全国に認識されています。

 しかし、先ほども述べたように、それは「賢さ」の一側面に過ぎず、もう一つの側面「自分の頭で考える」が必要だと言うことで、今回の記事の本丸に入ります。

 いくつか具体的な方法を書きますので、できそうなところや、「これは面白そうだ!」と思えることがありましたら、是非採用してみてください。

 

1 会話をしまくる。

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※オンラインではなく、直接ですよ!


 家族団らんと言ってもいいでしょう。会話は思考をフル回転させます。おしゃべりな子は大抵「賢い」です。次から次へと「言葉」という道具を使って自分を表現し続けるので、まあ、その状態であればすでに「賢い」とも言えます。

 赤毛のアンのアン・シャーリーは、めちゃめちゃおしゃべりで、とても「賢い」です。表現することで様々な気づきも生まれます。ついでに説明するのも上手になり、説明するために使う道具である「言葉」の扱いにも慣れ親しみます。

 もし、自分のお子さんがおしゃべりなら、それはすでに「賢い」と思って間違いないので、どんどんしゃべらせてください。きっとさらに賢くなるばかりか、冬休みの思い出がさらに素敵になるでしょう。

 

2 創作活動をする。

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 冬休み作品がピッタリですね。試行錯誤しながら作業するようなものは最高に素敵です。完成させるまでに意味があり、完成品は結果に過ぎないのであまり気にしないようにしてください。

 同じように、外で雪だるまやかまくら作り(雪がある地域だけですが)をしたり、料理をしてみたりと、創造的なものは全て「賢くなる」に繋がります。

 小さなお子さんの場合、作って食べるお菓子というものがあって、大人は嫌がるんですけど(食べる部分が少ないからとか、作っている時に部屋が汚れるからとか、値段が高いからとかかな?)、それも創造的です。小さな子にとってはちょっとした冒険にも似た感覚かもしれません。

 

3 お年玉を自分で使う。

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 これはお勧めで、今回のテーマで一番お伝えしたいことです。

 最近、子ども達に「お年玉、楽しみでしょう。」と聞いたんですが、「楽しみ!」という子ももちろんいますが、「それほどでもない。」という答えがあったことに驚きました。お年玉がそんなに楽しみでないなんて、どういうことかな?と思って質問してみると、次のような事実が判明しました。

・お年玉は全て親が管理していて、自分では一切使えない子。

・貯金させられて、なんらかの将来のために取ってあるらしい子。

・親が他の子へのお年玉費用にしてしまうと言う話(本当かな~)。

・親が使ってしまうという話(ほんと?)

・そもそももらえない。

 

 中にはそうとう怪しい理由もありましたが、自分で使えないという事実は本当でしょう。それで、クラス全員に質問してみました。

A お年玉を自分で使える。あるいは一部分を自分で自由に使えると言う人。

B お年玉は全く自分で使うことができない人。

 結果は、約半分ずつでした。ですから、半分の子は「お年玉が楽しみ」と言い、半分の子は「それほど楽しみではない。」という結果になるのです。

 

 子どもがまだ小さい頃は、お金の使い方が分からないので「親が管理する」で問題ないでしょうけれども、ある程度大きくなってきたのなら、全部とは言わないけれども、ある程度は自分で管理し、自由に使う経験をさせることです。

 お金を自分で考えて使っていない子は、いつお金の使い方が上手になるのでしょうか。お金だけでなく、世の中の全てのことに共通しているのは、「最初から上手にできることはない」ということです。失敗や後悔、考えたりやってみることで上達するのです。

 宝くじで大金が当たったとして、「でもあなたにはお金を上手に使える能力はないから政府が管理します。」というルールだったら、宝くじは売れません。

 

 私がまだ子どもだった頃、お年玉は超楽しみでした。たくさんくれるおじさんは良いおじさんです。おばあちゃんは神様です。それはお年玉を自分で管理して使えるからで、そんな嬉しいことをプレゼントしてくれる人だからです。

 私はチラシを12月から眺め、お年玉をもらったら何を買おうかな~と胸躍らせていました。

「半分は貯金して~、これとこれは絶対欲しいから買って~、それでもこれぐらい残るから、財布に残しておいて~。」なんて想像しながら楽しんでいました。

 もちろん、多少の失敗はあります。でも、失敗したから分かることもあるし、そもそも自分のお金なら、そんなに無駄遣いというのはしないものです。

 さらに言うと、お金の使い方を任されるというのはある種の信頼です。「あなたがどのようにお金を使っても、それはあなたのお金だし、あなたがどんな選択をしてもいいのですよ。」という言葉ではない裏メッセージとなっています。

 

冬休みを賢くなる方法 Chapter3 大人も同じ。

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※ギャンブルは遊んでいるのではなく、遊ばされているので創造的にはなりにくいですよー。子ども達にとってのゲームと同じです。


 子どもと大人の違いは?と聞かれれば、私は「生きた年数で判断するしかないけど、精神的にはさほど変わりない」と思っています。身体の大きさとか、生きてきた経験とか、できることや内容などは違うけれども、こと精神面という側面だけを切り取って考えてみれば、どうしても「さほど変わらない」という結論に達します。

 ですから、年末年始の過ごし方というのは、大人になっても「賢く」なる過ごし方が同じように使えると考えています。

 子どもとは違いますから、やれることは違います。

 でも、原理は同じです。

 どんな活動でもかまいませんが、「楽しんでやれること」と「創造的であること」という2つのキーワードが入っていれば、大人でも「賢い過ごし方」になると思いますよ。人生は長いようで短いので、できそうなことを見つけられることを願っています。

 それでは、よいお年を!

 

追加

 お年玉のポチ袋ですが、郵便局に「キットカット」がついているのがあります。お勧めです。キットカットって、子ども達は大抵好きですから。