「まずはやってみよう!」という言葉は行動を促しますが、多くの人は様々な口実を見つけてやりません。「やりたいんだけどね。」と、自分自身を騙し、その騙していることを隠すために口実を見つけます。でも、本当は「やりたくない」と言っているのです。口では何とでも言えます。しかし行動を伴わないのなら、それは言わないのと同じであり、むしろ言わない方がまだマシでしょう。
いきなり辛口模様な出だしですが、お伝えしたいことは、行動するというのはなかなか難しいことであるということです。難しいから「まあ、仕方ないんだけどね。」ということで、「難しいけどやってみよっか。」という励ましの記事です。
行動することがなぜ大切なのかの理由を説明することで、「じゃあ、やってみよっかな?」という気持ちになっていただけると、この記事は役に立ったということになるでしょうから、嬉しいです。
行動が大切な理由
知識というものは、自分で経験することや実践することで使える知識となり、仏教用語では「智慧」となります。この辺りのことは、別の記事でも書いてきたので割愛しますが、要は「経験」というものが大切であるということです。経験しないことには、本当に分かったということにはなり得ないからです。
ゴルフの理論を知り尽くしても、ゴルフの経験がない人がスコアを伸ばせるわけではありません。ゴルフの理論を知り、実践し、また知り、さらに実践してゆくことで、理論は役立ってゆくのです。
つまり、行動が大切な理由は「本当に分かる」ということを促すことにあります。そもそも人なら、本質的に「知りたい」「経験してみたい」という欲求がありますから、行動することで、その2つは満たされるということになります。
「本当に知るため」
「経験するため」
さらにつけ加えると、「自分が変わるため」というのがあります。
「怒りっぽい人が怒らなくなるため」とか、「意地悪な人が優しい人になるため」とか、「コミュニケーションが苦手だから克服したい」とかかな?
アスリートであれば「肉体改造」とか「メンタルトレーニング」なんかもこの部類に入るでしょう。
行動する理由は人それぞれでしょうけれども、おおよそこの3つに集約されると私は考えています。まとめると行動することが大切な理由は次のようになります。
1 本当に知るため(知りたいという知的好奇心)
2 経験するため(人であるなら経験してみたい。感情レベルのお話)
3 自分が変わるため(理想の自分になりたいという願望)
さて、この中の3番に注目します。
3番だけがマイナススタートなのです。
マイナスという表現がふさわしくないかもしれませんね。否定かな?
今の自分ではない自分を経験したいということであれば、2番になりますけど、「もっとこうしたい!」という願望自体は、今の自分では満足できないということですから、広く束ねると「否定」が先にあるのです。
やせたい → 太ってるから。
コミュニケーション能力を高めたい → 低いから。
幸せになりたい → 幸せではないから。
こうやって考えてみると、否定が根底にあることが分かるでしょう。
否定から出発しているので、実践が少々苦しいのも事実です。
だから、人はなかなか行動までには至らないのでしょうね。
実践する真の目的
今回の記事は、行動・実践の真の目的まで掘り下げていきます。
真の目的なので1つです。先の述べた3つを網羅する1つの目的になります。
これを説明するのに3番の「自分が変わるため」が分かりやすいの使います。1番「知りたい」と2番「経験したい」でも同じなのですが、3番が分かりやすいので、3番を例にして説明することにします。そして、具体的な方がイメージしやすいので、3番の中のコミュニケーション能力で考えてみます。
コミュニケーションが苦手だという人は、苦手だと思っているだけです。そう思ってしまったのは、過去に様々なことがあって仕方ないのですが、まあ、トラウマみたいなものになっていて、自分で「苦手だ」とか「不得意だ」と思い込むことで自分自身を防衛している、いわば防衛本能です(逃避かな?)。
防衛本能というくらいですから、防衛しているのです。だから役だってはいます。苦手だと思い込むことは、自分を守る為に役立っているのです。
まずはそのことを理解してください。
でも、そんな自分が嫌だと感じる事で、「なんとかしたい!」と願います。
それで、コミュニケーションスキルというものが生まれたり、様々なコミュニケーションに関する書籍が大量に発行されたりしています。また、コミュニケーションは、人間関係を考える上での1つのツールですから、大元は人間関係です。さらに言うと、人の悩みのほとんどは、この人間関係が絡んでいるというのも事実ですから、実は大変大きな分野ということになります。
次に実践を考えます。
コミュニケーションスキルトレーニングは分かりやすいですね。
ロールプレイなんていうのも効果的で、疑似体験することをねらっています。
書籍を読んで実践してみるというものいいですね。
とにかく実践すると、様々な反応が自分の周りに起こります。
難しいと思っていたけど、やってみたら簡単だったということもあります。
実践することで、自分が変わることができたということ。
これで目的達成です!
今までの自分とは別の自分になれた!
ヨカッタ ヨカッタ。
ということになるのですが、この続きが真の目的になります。
そもそも、苦手だと思っていた自分というのがいまして、そう思っていたのは自分自身でしかありえない。つまり「自分で苦手だと決めつけている」その思考が問題なのです。
実は、思考の持つエネルギーはすさまじく、あらゆる出来事を引き寄せるばかりか、思考するものしか見えず、思考することしか聞くことができないという現象を起こすほどの力があります。もし、その思考(考え方という表現の方が分かりやすいかな?)を人から指摘されたら、全力で否定するということもあります。
価値観とか世界観とか、そういう言葉でもかまいませんし、固定観念でもいいでしょう。理解しやすい言葉で置き換えてみてください。
自分が変わるというのは、この思考そのものを変えるということになります。
ところが、この思考というのは、長い年月をかけてじっくりと育てられているため、なかなか変えることはできないのです。「人は変わらない」と聞いたことがある人もいるでしょうけれども、それはある意味で当たっています。「人は変われる」も当たっていますが、それはどうしても「実践」というものに付随する「気づき」や「納得」、究極的には「経験」が必要なのです。
思考を変えるのは難しい!
でも、思考はすさまじいエネルギーを持っている!
この2つを理解すると、実践の真の目的が見えてきます。
それは、思考を変えるのは困難だから、行動を変えるということです。
思考は変えられないけれども、行動は変えることができます。
楽しいと思えなくても、楽しいフリはできますし、感謝などしていなくても感謝の言葉を発することはできます。行動や実践は、やろうと決意すればできる代物なのです。すると、行動した結果、周りの状況が動きます。自分を取り巻く環境が変わるのです。これまで、自分が思い込んでいた現象ではない現象が目の前に起こり始めます。
コミュニケーションが苦手だと思っていた人が、なんとか実践を繰り返していると、だんだんと分かってくるし、経験するし、今までの自分とは違う自分になっていきます。
そして、それを繰り返していると、頑固だった思考も、だんだん納得していきます。変わりにくい思考がようやく変わり始めるのです。
ここが実践に関する真の目的になります。
行動の力を借りて、思考にアプローチする。
思考は絶大なエネルギーを持っているので、思考そのものにアプローチするのは難しいのですが、行動からアプローチしていくということ。
「行動→言葉→思考」と言う具合に、逆からアプローチするのです。たいていの人は「思考→言葉→行動」になっています。思っている事を言葉にし、思っている通りに行動しているのですから変わりません。一番大きなエネルギーである思考が変わらないからです。
実践する真の目的は「思考を変えるため」です。
変えるというと、変わらないとダメみたいな印象を持たれるかもしれませんので、もう少し適切な表現にするなら、「思考の幅を広げる」とか「多様な物の見方ができるようになる」とかがいいかな?
なんでもやってみよう!
※これはやっていはいけませんよ。
やったら分かります。
やらなければ分かりません。
「やればできる!」というフレーズを言う芸人さんがいますが、その通りです。
アントニオ猪木さんの名言も「元気があれば何でもできる!」です。
大変勇気をもらえる言葉ですが、同時に厳しい言葉でもあります。
「やらなければできない!」と言っているし、「元気がなければ何もできない!」とも言っているのです。
自分ができそうなことからやってみることをお勧めします。
「千里の道も一歩から」です。
関連記事を貼り付けておきます。
行動は難しいですから、もう少し知りたい方はどうぞ。
今日から3連休です。祝日があって3日間もお仕事がお休みとは、なんともありがたいことでしょう。せっかくの3連休ですから、何か有意義に使いたいですね。
でも、同じ職場のある若手の職員に「なにするの?」と聞いてみたら、その人は「コロナで怖いからずっと家にいます。」と言っていました。
家にいることは別に問題ないでしょうけれども、家で何をするのかは問題です。何もせずにただただ時間を浪費するなら、すこしもったいないですよ。
せっかくの3連休ですから(お仕事の人もいますので、そういう方には感謝を)、何か経験してみたいことをやってみましょう。