Nayunayu先生 ~愛のある教室~

現場教師の24年間の実践理論

ストレスを貯めない生き方

 ストレスという言葉はよく聞くので知っているような気がするかもしれませんが、具体的に何か?と聞かれて正確に答えられる人は少ないというのが私の見たところです。そして、やっかいなことに、このストレスを本人が自覚するのは難しいという特性があります。今回の記事は、ストレスの正体を知り、ストレスをため込まないためにどうすれば良いかというお役立ち記事です。ストレスがたまってるなーと感じていてもいなくても、ほとんどの人がストレスを貯めているので役に立つはずです。

 

ストレスとは何か・・・

 一般的に「仕事が忙しくてストレスが溜まる」と聞きます。また「育児によってストレスが溜まる」とか「人間関係に疲れてストレスが溜まる」とか。

 そうすると、「仕事=ストレス」であり、「育児=ストレス」であり、「人間関係=ストレス」ということになってしまい、「仕事の量を減らそう」とか「仕事を休もう」とか「肩の力を抜いてリラックスしよう」とか「家事を手抜いてみよう」とか、「嫌いな人と関わらないようにしよう」など、様々な対処方法が提唱されることになります。しかしそれらは全て一時しのぎに過ぎません。ストレスとは何かが分かれば、一時しのぎに過ぎないという理論が成立します。

 まず、はっきり申し上げておきたいのは、仕事も育児も人間関係も、ストレスに直接的な関係はありません。なぜなら、同じ仕事をしてもストレスに感じる人と感じない人がいるからです。育児も人間関係も同じです。育児が楽しくて仕方ないという人もいるでしょうし、人間関係が大好きだという人もいますから。

 すると、人によってストレスに感じるジャンルは違うということになります。

 では、人の何がそのような違いを起こすのかと言うと、その人の癖になっている根深い思考です。考え方や価値観という言葉でもいいですし、人生観でもかまいませんが、要は「思考」です。

 例えば小さな子どもが散らかしたときを想像してみましょう。

「また散らかしてー!」となればストレス。

「子どもって散らかす生き物で可愛らしー!」となればノンストレス。

 だけど散らかしているという現象は同じです。

 「思考」というのは、常に善悪を判定しているのです。良いとか悪いとかを常にジャッジしている。判断することを生業にしているので、判断しないということなしには活躍の場がないのです。

「仕事がイヤだな-」と思えばストレスですし、「仕事楽しいなー」と思えばノンストレスです。

 その人の好みという言い方でもいいかもしれませんね。だから「嫌だなー」と思っている事を我慢してやっているとストレスが溜まるということになります。

 それで、もう少し深く追求してみると、なんで嫌なんだろう?ということになるわけです。嫌だという思いは思考ですが、何故嫌なのかということを追求してみると、思考よりも深い部分があることに気づけるはずです。

 それが「感情」です。感情が根っこです。

 つまり、感情と思考が一致している時、嬉しいから嬉しいと思うという状態はストレスは生じません。感情と思考が不一致の時、嫌だけどやるとか、やりたいけどやらないという時、ストレスは発生しています。

 感情と思考のズレ、これに実際の行動が加わってズレまくる。これがストレスです。ただし、一般的には思考と行動は一致していることが多いので、感情と思考のズレと考えておけば問題ありません。

 

ストレスを貯めないためには・・・1

 感情と思考のズレがストレスなのですから、常に一致していればストレスは溜まりようがありません。食べたいものを食べる。趣味を満喫する。読書がしたいから読書する。散歩したいから散歩する。もう眠たいから眠る・・・等々。

 感情から出てくることをそのまま受け取り実践することで、ストレスがたまらないどころか、エネルギーが充填されます。

 ただこれだけなんですけど、これがなかなか難しいということは知っています。なぜなら社会的に受け入れてもらえないという事情が絡んでいるからです。

 私たちは、幼い頃から一定の型にはめ込まれ、周囲の人たちと同じような行動をすることを善意で強いられて生きてきました。善意というところがやっかいなのですが・・・。それで伝統的なことやその地域の社会文化、常識という常套句に合わせていれば褒められ、反すれ罰を受けるということに慣れ親しんでいます。

 これは「思考」が中心で「感情」は置き去りなのです。

 社会は「思考中心」であり、歴史的には西洋文化が「思考中心」です。

 昔の日本は「感情中心」であった時期もありますから・・・。

 そのため、ストレスを感じないように生きようとすると、本当は「自分らしく生きる」ということで良いのですが、社会的には都合が悪いということになり、大抵は反発されます。その反発の力はすさまじく、異端児扱いすらされることも予想しておく必要があります。

 この反発があるため、社会はストレス社会に留まり続けているということになります。感情は嫌がっているけど、社会的な反発があるため、思考は「嫌でもやることが良いことだ」ということにしてしまい、ズレ続けるということになるのです。

 すると、ストレスを貯めないためにできることは、先に述べた一時しのぎをするという手法がよさそうだということになります。一時しのぎではあるけど、そっとみんなに気づかれないように「やりたくないことはやらない」という実践です。

 

ストレスを貯めないために・・・2

 でもそれだと少しずつだけどストレスは溜まるということになります。少しずつだけど溜まるのです。だから「出せばよい」ということになります。溜まったのだから出せばいいのです。出せば減りますから。

 そこで一般的に採用されているのは、「書く」という手法です。自分の嫌な気持ちを書き綴ってみる。これは誰の目にも触れず、誰の迷惑にもなりません。同じような手法で「誰かに話を聞いてもらう」というのも効果的ですが、これは相手が必要なので、相手がいなければできません。同じような意味で「叫ぶ」というのも有効的ですが、ご近所迷惑になるかもしれないので、あまり採用されていません。

 まあ、どんな形でも出せば減ります。それだけです。

 

ストレスと貯めないために・・・3

 ストレスと思考は密接に関わっているということを説明しました。ストレスの犯人は「思考」ということですから、この思考を停止させるという手法も有効です。

 ストレスフルの人がある日突然、思考停止するということも起きるように、人間の防衛本能としても備わっていますが、自然な思考停止はストレスがすさまじいときに起こるので、最終手段なわけで危険です。廃人になってしまいます。ですから、そうなる前に思考を停止させることを意図的に起こすという手法です。

 では、どうすれば思考は停止するのかを説明します。

 簡単です。何でもいいので、何かに集中することです。

 集中することで思考は停止します。

 うん?となった人もいると思いますので、もう少し詳しく説明しますね。

 思考というのは、常に過去か未来に行っています。過去のデータを持ち出して勝手に判断し、未来に向かって心配や不安を感じるというのが分かりやすいかな?

 思考は唯一「現在」にだけ存在できないのです。常に過去か未来にいます。

 つまり「今を生きれば思考は停止する」ということになるのです。

 この「今を生きる」という状態は「集中している状態」と一致します。

 何かに集中しているとき、時間があっという間に過ぎるという経験のある人は多いと思いますが、時間の感覚もなくなります。没頭するのです。できれば自分の好きなことに没頭する時間を意図的に設けるのです。すると、それをしている時間はストレスは不在です。

 ・・・ただ、集中が取れたら戻るんですけどね。

 

ストレスを貯めないために・・・最終

 ここまでをまとめると、次のようになります。

1 感情と思考を一致させるとストレスは起こらない。

2 だから好きなことをしていればOKだけど、そうはならない。

3 そこで、一時しのぎではあるけどストレスに感じる現象を減らす。

4 でも溜まるので、出す必要がある。

5 ストレスはズレなので、思考を停止させることも有効。

 

 でもね、ここまでの内容では、結局ストレスとうまく付き合っていくしかないということになっています。ストレスのない人なんていないという言葉も間違っていないような気もしますが、さらにここから深く潜っていきます。

 

 ストレスの犯人は「思考」です。

 では、その「思考」のどの部分なのかということを考えてみますと、「期待」とか「希望」とかいう美しく素晴らしいと思われている言葉に行き着くのです。

 これがなくなれば、ストレスは消滅します。

 期待しない、希望を持たないという生き方。

 これがストレスを消滅させるのです。

 期待も希望も「未来」です。思考は過去か未来にしか存在できないと先に述べましたが、思いっきり未来に向かっています。しかも、期待も希望も、現在の否定なのです。驚くかもしれませんが、期待しているのなら現状に不満足です。希望しているのなら、現状に満足していません。今を常に否定しているということも起きているのです。

 そんなことをしているのは地球上の生物の中で人だけです。

 なぜなら、思考は人にしか備わっていない能力だからです。

 だから人だけがストレスを感じるのです。

 たまに動物がストレスを感じて・・・ということも見聞きしますが、それは人がそうさせているのです。自然界の中で生活させれば動物はストレスを感じません。人のもつ負のエネルギーを敏感に感じ取っているだけです。

 

まとめ

 自分にあった方法をやってみることがお勧めです。

 もちろん、私の一番のお勧めは、ストレスが消滅する「期待」と「希望」の放棄ですが、それはなかなか一筋縄ではいきませんので、代替案をいくつか提示してみました。

 ストレスと感じている分野を軽減すること。

 溜まったストレスを何らかの方法で出すこと。

 今に集中できることを実践すること。

 

 かなりややこしい記事になりましたが、実践すれば実践した分だけ理解したり、ストレスが軽減したりします。お金もかかりませんから、是非やってみてください。ちなみに、瞑想もいいですよ。瞑想は思考を洗い落とす効果がありますから。