褒めるのって・・・実は難しいです。
褒められたら嬉しい人はたくさんいますが、褒めるのが得意な人は意外と少ないです。少ないのは、難しいからです。
需要はたくさんあるのに・・・・・供給が少ない。
だから、褒め上手になりましょうというお誘い記事です。
1 なぜ褒める人が少ないのかの理解をしましょう。
※写真は褒められていない人の心の中のイメージです。
褒める人が少ない理由はいくつかありますが、その最大の理由は簡単です。「褒められていない」からです。褒める人が少ないということは、すなわち褒められる人が少ないということです。自分がされていないのに、他者にできるということは起こりにくい。
次に「見ていない」という理由。見えているだけで見ていない。褒めるためには、相手の中に褒める要素を見つける必要があります。あら探しが上手な人は多いですが、いいところを探せる人は少ないのです。いいところは見えにくいということもあります。
次に「褒め方が分からない」という理由。お世辞は上手に言うことができたとしても、本当に褒めるとはどういうことかの理解が足りない。
次に「コミュニケーションの力が弱い」という理由。そもそも褒めるには他者とのコミュが絶対条件ですから、相手がいないことには褒めようがありません。
次に「自分のことで精一杯」という理由。褒めるにはゆとりが必要です。まあ、ゆとりがたくさんあるから褒めることができるということもないのですが、ゆとりがなくては褒めることは難しいでしょう。
次になぜか「褒めたら堕落すると信じている」という理由。「褒める」と「甘やかす」の違いが分からないと、そのように考えるのも不思議ではありません。
次に「批判精神が豊かである」という理由。・・・これはどうしようもないかな。
次に・・・ 次に・・・ 次に・・・
まあ、たくさんあります。でも、結局は最初の「褒められていないから」という理由の波生物でしょう。・・・ということにして話を先に進めます。
2 褒め上手になるためのいくつかの理解をしましょう
※写真は褒める人の心の中のイメージです。
まず結論からずばっと言いますと、心の中の状態が愛で満たされている人なら、どのような言葉かけも、その全てが褒める言葉になります。何かを伝えるときに「褒める」ということがさらりと付随しています。
でも、それが難しいので、まずは技術として使う練習をするといいでしょう。
まずはこの写真。あなたはどう褒めますか?
彼は何をしているでしょうか。よく見ましょう。
彼は自分の腕の筋肉を見ています。「なかなかいい腕しているな。」という感じでしょうか。あるいは「筋肉がついてきたな・・・。」かな。
よく見ましょう。
どこが目のつけどころでしょうか。
彼は、自分の腕を見ています。そして、自分の腕はなかなかいいぞ!と思ってます。ですから、彼が見ているその腕を見るのです。
そして「腕の筋肉すごいねー!」と言えば褒めたことになります。
「かっこいいね!」とか「素晴らしいね!」とか、めんどくさいなら「いいね!」だけでも褒めたことになります。
「そのシャツ、なかなかいいね!」というのは的がはずれています。
「うわっ、腕の肌、キレイだね!」も全く違います。
1つ目の方法は、相手の褒められたがっているところを褒めること。
次にこの写真。・・・どう褒めましょうか。
「ナイスショット!」がすぐに思い浮かびそうですが、ナイスショットじゃなかったらどうしましょうね。
「おしい!」とか「ドンマイ!」なんて言葉がありますが、褒めていません。今回は褒める練習ですから、なんとか褒めどころを見つけましょう。
「おっ、その服、かわいいね!」は、この場合は絶対に言ってはいけません。言うタイミングが間違っています。最初に会った時に言うのなら効果がありますが、このときに言ったら逆効果です。
「フォームが美しいね!」とか「随分上手になったね!」とかが有効かな?
「ナイスショットできなかったけど、フォームはいいね!」でもいいのですが、「フォームがいいね!」だけの方がいいでしょうね。
男性は説明が好きですから、どうしても「今のはここがこうで、あそこがどうで、それを次のショットで・・・」となりがちですが、ゴルフを楽しんでいるのならテンションが下がるだけです。
2つ目の方法は、褒められるところだけを抽出すること。
さあ難問です。どう褒めましょうか。
いきなりこういう格好をされたら「なんで?」となりますが、あくまで褒めるための練習材です。褒めどころ・・・あるのか?
「スーツ、・・・いいね。」だと、この格好の意味がないので的外れです。
「どうしたの?」はただの心配です。
「どこか行くの?」は質問。
褒めるのです。分けが分からないこの状況でも褒められれば、誰でも褒めることが可能になるはずです。
「いいね!」
もう、困ったらこれです。いいねって、何がいいのか分かりませんが、とりあえず「私はいいと思っているよ。」と、伝えるだけで褒めたことになります。
3つ目の方法は、とにかく「いいね!」を連発すること。
3 本当に褒めたいのなら
褒めるって、本当は難しいのです。褒めるとは何か・・・と深く追求すれば、それがいかに難しいのかが分かります。難しいので説明も難しい。ですから、基本的なことだけお伝えしますが、とにかくいっぱい褒める練習をしていれば、いずれ理解することができるので、今は理解しなくても大丈夫です。
褒めるというのは、相手に感心がないとできません。そして、肯定的に見ることができないと悪口しか出てこない。悪口は超簡単です。何も考えなくても言えます。
しかし、褒めるというのは創造的な行為です。相手が嬉しくなるような言葉を使いこなせる、相手の気持ちを感じる、共感する、価値を見いだすことができる等々、様々な人間力が必要になります(人間力の定義もあいまいですが・・・)。
褒めることによって、相手が「嬉しくなる」のは通常起こりますが、褒めるレベルが上がると、相手は「嬉しい」+「元気になる」も起こります。さらにレベルが上がれば+「勇気がリンリンと沸いてくる」も起こります。
そのためには「見えない部分も見る」力が必要です。「見えない部分も見える力」と言ってもいいでしょう。「見る」のではなく「見える」。見えるくらいの深い理解力です。そのためには自身にたくさんの経験がなければいけません。
例えば料理。何も知らなければ「美味しい!」ぐらいしか言えません。しかし、自分にも料理の経験が豊富ならば、絶妙な味付けについてとか、使っている食器のこだわりとか、この味を出すためにかなり勉強しているとか、忙しい中作ってくれたとか、さまざまなストーリーを付け加えることができます。
さらに価値づけるという観点。
本人が気づいていないような良さを認識させ、はっとさせ、自己肯定感を高めてしまうような褒め方。
例えば「物静かで目立たない人」がいたとしても、それは「落ち着いているね。」とか「大人びているね。」とか、別の観点から見ることができます。
そして認めるという褒め方。評価ではありません。あくまで認めるのです。
「君はもう十分にやってきたと私は分かっているよ。」といったねぎらいの言葉であったり、「君がやることなら、何でも私はOKだと思っているよ。」といった信頼の言葉であったり・・・。要は「あなたはあなたのままでOK」という完全受容、無条件の受容状態でのコミュニケーションです。
心の中の見えないストーリーを見る、価値づける、認めると分けて解説しましたが、実際にはこれらのことが入り交じっています。時と場合によっては、見える部分も使います。じっくり褒めることもあれば、かるーく褒めることもあります。ここまでの説明をすべて使いこなすということは、全てが入り交じるということです。
そのような状態、褒められる人になるには、一つ一つを実践してみる必要がありますので、できそうなことからやってみてください。
人は誰でも褒められたいと思っています。
・・・私も褒められたい。でも、あんまし褒められていないな~。