「先生って、どれぐらいお給料もらっているの?」と聞かれることがあります。子ども達にとって身近な職業の上位に先生がいるのですから、それが気になるということは、つまり働くということに興味を持っていると言ってもいいでしょう。
私は正直に伝えるようにしています。「先生って、私たちと遊んでいるだけなのにそんなにもらえるの?」と思ってもらえれば、将来教師を目指す子が増えるでしょうから。
今回の記事は、そんなお給料の額の話ではなく、制度としてそうあってほしいという願望を書いた記事です。制度上、たぶん無理ですが、そうだったらいいな~という記事です。本当に読んでも読まなくてもいいような軽~い気持ちで読んでいただけたら嬉しいです。
1 教師の給料の現状
教師という職業は、地方公務員のひとつです。
ですから地方公務員の給与です。ただし残業手当が一切ありません。
そこで、通常の地方公務員よりも4%くらい上乗せしてもらえます。
残業手当と4%はどちらが多くもらえるのかというと、たぶん残業手当ですが、制度上、財源上、それは難しいので4%で手を打ちましょうというのが、かなり前に決まったことです。
地方公務員ですから年功序列です。年を重ねれば給与が自動的に増えます。
ただし、最近はある年齢を超えると微増しかしませんが・・・。
教頭や校長、つまり管理職になれば一気に増えます。
詳しくはネットでググってみたら一覧が出てきますから、誰でも見ることができます。かなりオープンです。
それで、教師という職業、公務員という職業は、やってもやらなくても給与額はほとんど変わりません。ここが民間との大きな違いでしょう。
良くも悪くも公務員です。良いも悪いもなく、ただそういうシステムです。
2 仕事量で給与を変動させる
もうかなり前のことになりますが、教師の頑張り具合を給与に反映させましょうという動きがあって、評定制度が導入されました。これはボーナスに対して発生します。
A判定だと、基本ボーナスに上乗せされます。
B判定だと、微増だっけな~。
C判定だとマイナスか同じ。Dだとマイナスという具合です。
・・・うる覚えではE判定まであったような・・・。
表向きは教師の頑張り具合いをきちんと評価して給与に反映させてあげましょうということですが、実態はかなり無理があります。
まず、誰が判定、評価するのかということですが、その学校の学校長がします。学校長が何を見ているのかが問われます。
次に、学校事に人数がある程度決められているはずです。全員Aはできない。たしかCを基本として、ちょっと頑張っていればBで、特記すべきほど頑張っていればAなんですが、先ほども述べたように学校長から見てということ。
私事で言うと、Aをもらったこともあるし、BもCもあります。
私の感覚では、毎年同じように一生懸命やりました。・・・が、どう見えるかは校長によって違うということです。
一生懸命やっているように見えたら評定が上がりやすいかな?
それで支給側からすれば、ボーナスの総支給額としては、おそらく同じか減らすことに成功しているはずですが・・・詳しくは分かりません。
3 こうだったらいいな~という教師の給与制度
教師は良くも悪くも地方公務員の一種ですから、基本的なシステム変更は難しいでしょう。そこで「手当」という制度の導入です。
「住居手当」「寒冷地手当」「通勤手当」「複式手当」など、すでにいくつかの手当がありますが、新たな手当の創設です。
教師という職業は、管理職をのぞけば、「学級担任」と「特別支援担任」と「専科」があります。さらに「学年」というものも加わり、実態としては大変さがかなりちがいます。雲泥の差とまでは言えなくても・・・いや、言っちゃっていいかも。
最も大変なのは、荒れた高学年で人数が多い学級担任です。ここは最も力のある教師に担任をしてもらわないと、学校全体にかかわります。高学年でなくても「荒れていて人数が多い」というのはどこでも大変です。しかし給与は変わりません。
すると、力をつければつけるほど、大変な仕事量をこなし、給与は変わらないということが起きてしまうので、給与面だけを見ればテンションがあがることはありません。やりがいに活路を見いだせれば良いのですが、給与に反映させることができれば、もっと良いのではないかと、私は思っているのです。
そこで「担任手当」と「人数手当」というものを導入する。あるいは「高学年手当」というものでもいいかもしれません。
もしこれを導入することができれば、大変な学級を受け持っても、その分もらっているので、やる気がでますし「次も大変でいいよー。」となります(たぶん)。さらに、若手から見れば「なるほど、教師としての力をつけたら、子ども達にとってもいいし、自分もいいね!」となって希望がもてます。
そしてもう一つ。「若者手当」です。
公務員は年功序列ですから、若い方が給与額は低いです。しかし、お金を使うのは若者です。若者に「まだ経験不足で教師は大変だろうけど、お金をあげるから休みの日はリフレッシュしたり、遊んでおいで!」と手当をあげると、その散財が経済活動の循環にも繋がります。そもそも、若いときの方が欲しい物が多いはずです。もっていない物が多いので。さらに、書籍を買ったり、自己投資のためのセミナー参加などもお金がかかりますから、若いときの方がお金は必要なのです。旅行などで見識を深めるという効果もありますし、デートなんかをして未婚率の低下も防げます。
問題はその財源です。
財源としての総支出を変えないのなら、どこかを増やしたらどこかを減らすということになってしまいますが、それではテンションが下がります。
実は先進諸国の中で、教育予算と呼ばれるものが占めるGDP比は日本が最下位らしく、たしか5%くらいです。これは先進諸国から簡単に言うと注意されています。「教育にお金をかけなさすぎてますよ。」という警鐘です。
ですから、教育財源そのものを増やしていいはずですから、その使い道を新しい手当の創設にすれば、教育界全体のテンションがあがるのではないかな?と思っています。
これまでの給与体制はキープした上での手当ですから、誰も損しません。
まとめ
給与に関して、教師は恵まれているな~と私は思っています。
地方公務員ですから、食べるものに困るほど貧しくなることはまずありません。普通に生活していれば、お金に困ることはないでしょう。
ですから、今の給与に関して不満があるわけではありません。
いつも「ありがたいな~」と思っていただいています。
さらに最近では、学級の人数の上限を下げましょうとか、4%を見直しましょうという動きまで出てきています。本当にありがたいことです。
ただ、もっとテンションがあがるためには・・・というつぶやきでした。
評定制度は色々と無理があるので、誰にとっても納得できる具体的で実態に即した「手当」がいいんじゃないかな~と、同僚にも話してみたら「全くその通りだと思う」という反応があったので、お裾分けでした。