Nayunayu先生 ~愛のある教室~

現場教師の24年間の実践理論

「不登校が急増」をどう考えるのか

 不登校がコロナ禍で急増。現在、小・中学校で24.4万人だそうです。

 不登校については、これまでも何度か書いてきましたので、また書くということに、若干躊躇しないでもないのですが、ニュースで気になることを言っていたので、あえてもう一度書くことにしました。コロナと不登校の関係が分かる記事ではありますが、実はあまり関係ありません。関係あるけど関係ないという矛盾について書きますね。

 

1 不登校の実態

「コロナ禍の2~3年間で不登校が急増」

 コロナ禍の前と後では違うということを「推し」ています。

 では、コロナの前はどれぐらいだったのかというと、私の知識では、おおよそ16万人です。小学校と中学校と高校の総数ですが、高校は中途退学がありますから、激減し、かわりにニートとか引きこもりになります。

 24万人ということは、ここ数年で8万人も増えています。

 しかも、純粋な8万人ではなく、少子化の中での8万人増ですから、めちゃめちゃ増えています。それで、これはまずいということで、オンラインを使って子ども達の体調をチェックする学校の取り組みやら、子どものSOSを受け取る窓口を増設しましょうということをやっているということを報道していました。

 不登校はやがてニートや引きこもりになりますから、そこまでいけば30年とか40年と長期に渡り、現在では「7040問題(70代の親と40代の子)」に発展し、「8050問題」へ続いていきます。だから色々な意味で深刻な問題です。

 コロナが蔓延する前までは、不登校の原因は様々な事が言われていました。

「学校で嫌な思いをしたから」とか「担任と合わないから」とか「勉強が分からない」とか「友だちともめているから」とか。

 一般的には、まず疑うところであり、すぐにでも対応するところです。

 学校や家庭ではすぐに対応してきたはずです。

 ・・・それでどうなったかと言いますと、不登校は増えてます。

 そして、コロナ禍のタイミングで激増です。

 これが実態です。

 

2 不登校の原因の場所

 コロナ禍により、自宅時間が増えました。

 学校が原因ならば、コロナ禍によって不登校は減ります。

 家で過ごす時間が良い時間ならば、子ども達のエネルギー量は増幅するわけですから、元気いっぱいに登校してきます。

 でもそうなっていないという事実を俯瞰してみると、どうやら学校ではなくて家に原因がありそうだということになります。

 学校はね、一昔前よりもかなり良くなっています。

 先生は優しいし、給食は美味しいし、快適空間も保証されています。学習も多様な学習材を用意し、分かりやすく丁寧に教えています。体罰らしきものもなくなってきましたし、先生に対して反抗的な態度も何故か許されています。

 団塊世代を生きてきた人たちなら、みんな経験していると思いますが、昔の先生はもっとおっかない存在だったのです。まあ、父親も同じですが・・・。

 ですから、昔の厳しい時代の学校よりも良くなっているにもかかわらず、少子化にもかかわらず、不登校が増えているのならば、学校が原因であるというのは無理があります。その無理を通そうとするから道理が引っ込みます。

 ですから、反論がある人もいるでしょうけれども、私の理解では、不登校の本質的な原因は家にしかありません。多少の例外はありますが(学校が原因)、その場合は原因を取り除けば再び登校します。

 ・・・でも、増え続けているのです。

 しかも、コロナ禍によって激増。

 だから「家」なんです。誤解がないように付け加えておきますが「家が悪い」と言っているのではありません。「原因は家にありますよ。」と示しているだけです。

 

3 どうすればいいの?

 不登校は子どもからのサインです。SOSサイン。

 報道では、このSOSサインを早期発見して、学校や公共機関でなんとか救おうという趣旨でしたが、不登校を生み出している場所は「家」ですから、学校や公共機関で解消することはかなり難しいと理解することが必要です。

 本当に解消したいのならという限定条件になりますが、SOSサインを見つけたら、学校や公共機関は「家庭」と連携して、子どもが本当になんとかしたがっている原因を見つけ出すことです。

 私はこれまで、何件かの不登校に関わってきましたが、親が変われば子どもは変わります。子どもの不登校を通して、親をはじめ、家庭そのものが大きく変わるのです。そういった意味では、不登校というのはありがたいのです。

 もし「子どもが不登校になってくれたおかげで・・。」と、深い理解が起これば、大いなる感謝が舞い降りてきます。そして不登校は終わります。

 これは私の経験から言って保証できます。

 

 コロナ禍によって不登校が増えたという事は、実数としてそうなのでしょう。けれども、不登校はコロナで学校に行けないということではなく、コロナが落ち着いても行けない状態になっているという事です。きっかけとしてコロナはあるかもしれませんが、直接的な原因ではないのです。

 コロナ禍は本当の原因が予定よりも早く表出したというだけ。

 本来なら高校生になってからがんばれなくなるはずが、中学生でがんばれなくなったとか、普通に生活していれば中学校ぐらいでエネルギー枯渇状態になりそうだったけど、小学生で枯渇してしまったというようなものです。

 

 もう一度、あえて繰り返します。今回の記事のテーマなので。

 不登校に関して、きっかけとしてコロナは関係ありますが、本当の理由とは関係ありません。うーん、今回の記事も評判悪そう・・・。