もし罪というものがあるとすれば、それは「無知」に他なりません。知らないから、知らないうちに身体にとって悪いことをしてしまう。今回はそんなお話です。
1 アリとタッパー
数年前のことですが、理科専科の先生が、百均でアリ捕獲用に小さな透明な使い捨ての入れ物を買ってきたのです。そこにアリを捕まえて入れ、観察しようという実験です。私は子ども達がキャーキャー言いながら楽しそうにアリを捕まえる様子を眺めていました。
しばらくして、子どもが怪訝そうに
「先生、アリの様子が変です!」と報告にきました。
どれどれ?と小さな入れ物に捕獲されたアリを見ると、不思議な動き、不自然にはしゃぎ回るアリの側でひっくり返って小さくしぼんでいるアリが・・・。
「うん? 捕まえるときに強くつかんじゃったんじゃない?」
と、言いながら他の子たちが持っている容器も覗いてみましたら、どの容器内でも同じような光景が。そして、その数分後には全てのアリが絶滅しました。
試しに私も容器を借りて、元気そうで大きめのアリを捕まえ、容器に入れて観察しました。すると、元気いっぱいに動き回り、やがて動きが遅くなり、そしてひっくり返って小さくなっていきます。わずか1分程度の出来事です。
私は驚き、蓋を開けました。するとアリは急に復活し、元気に走り回って外に出ようとしたのです。
これが数年前に出来事です。私は見ていたはずなのです。
この容器は、普通にお弁当とかでフルーツを入れたりするような用途で使います。ですから、はっきり申しあげると危険なのです。
繰り返しますが、私は見ていたのです。でも分かっていなかった。
その数年後、食事に関する知識を次から次へと知るうちに、このタッパーのことも出てきました。国内生産の少々値の張るタッパーなら、まだマシなのですが、安いタッパーは、変な物質が出ていて身体にとって良くないということが。
昔ながらの硝子容器のタッパーとか、陶器だと良いようですが、安価なタッパーは使用してはいけません。
2 液体窒素ともやし
もう10年以上も前の話ですが、学校にサイエンスカーがやってきて、子ども達に科学の不思議を伝える事業に参加したことがあるんです。
そのとき、液体窒素という物質が登場しました。マイナス190度位で液体から気体へ変わる物質です。それにもやしをつけると一瞬でカチンコチンになり、もやし同士をぶつけると硝子がぶつかるようなキレイな音がするんです。
すごい!すごい!と楽しんでいたのですが、時間が経つともやしが解凍されます。そして、そのもやしはフニャフニャになっています。
サイエンスカーの先生が言うには、
「一度冷凍した物は、成分が変わるので元に戻ることはない。」ということでした。
私は教えてもらっていたのです。つまり知ることができていた。
ところが、分かっていなかったんです。「液体窒素ともやし」の話で完結していて、それが日常生活で何気なく使っている冷凍庫や冷凍食品とも繋がっているということに気づいていなかったのです。
食事について様々な知識を得る過程で、これも登場しました。冷凍すれば、成分が変わるということ。だから、なるべく新鮮な時に、旬なものを食べることが大切であると。するとね、最近は冷凍食品がチヤホヤされていますが、それらはすべて栄養が壊れているということになります。まして、冷凍野菜はもやしと同じように、食物繊維などが全て壊れますから、テレビでは安い!なんて言っていましたが、栄養がないのなら高いでしょう。
3 電子レンジは知っていたけど分かっていなかった
私が子どもの頃に電子レンジというものが登場しました。
私の実家は、私が大人になるまで電子レンジを買わなかったので、子ども心に電子レンジがある家をうらやましかった記憶があります。
最初に驚いたのは「グレムリン」という映画です。邪悪化したグレムリンを電子レンジに閉じ込め、スイッチを入れると中で爆発します。このとき、電子レンジは内部から何かしらのことを起こす恐ろしい道具だというおぼろげな感覚。
次に電子レンジで温めたお弁当が好きになれない自分。大学時代の下宿では、冷えたカレーを電子レンジで温めて食べるのが通常なのですが、私は必ず鍋ごと火で温めていました。なんとなくですが、電子レンジは好きになれなかったのです。
最後に最近の話です。冷凍ご飯をレンジで温めたのです。でも、食べきれなかったので、置いておいて、数時間後にまた食べようと思って、再び電子レンジにいれました。すると、ご飯がカチンコチンに固まっており、まったく別物へ変化していたのです。
私は知っていて分かっていたのです。でも気づいていなかった。
電子レンジははっきり断言しますが、良くありません。その後の食事研究でもやっぱり登場しており、電子レンジがどのような仕組みで温めるかを解説してくれています。結論だけを言いますと、栄養成分が死に、分子構造が変わり、放射線みたいなものを浴びているので、身体にとって良いはずはないということでした。
まとめ
今回は、タッパー、冷凍、電子レンジの3つをごくごく簡単に説明しましたが、実は他にもたくさんあります。
アルミホイル、サランラップ、食器用洗剤、ジップロック、ペットボトル、アルミ缶などなど、基本的に便利で多くの家庭で大活躍している物です。現代社会では、それら便利で手軽な物をなくすことは難しいでしょう。でも、せめて国内生産の物、お値段が少しくらい高くても、高い理由がありますから、そこをケチらないことが、身体にとってのせめてもの愛情表現でしょう。
最近のテレビ番組では、やたら冷凍食品を推しています。やれ美味しくなったとか、やれ保存が利くとか、やれお安いとか・・・。
「冷凍食品=解凍する必要あり」ということで、電子レンジもセットです。冷凍+電子レンジで、栄養素などほとんど壊れきってしまいます。味付けは化学調味料ですし、保存のための食品添加物も大量に使われていることでしょう。
「無知」は罪深いのです。私は知る度に、おおいに反省し、自分の身体に「ごめんね.。」と謝りました。
今回の記事が、みなさんの道具の見直しに少しでもお役に立つ事ができれば嬉しいです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ちなみに、身体は辛抱強いですから、身体にとって良くない事をし続けても、相当な期間は耐えてくれます。耐えてくれるから気づけないということでもありますから、気づこう、知ろうとすることが大切で、無知からの脱却への第一歩となります。