Nayunayu先生 ~愛のある教室~

現場教師の27年間の実践理論

本当に教え方が上手な先生とは

 久しぶりに記事を書きます。教育特化ブログでしたので、今回は真面目に教育について書くことにします。

 教育界は大変不人気になったようで、教員採用試験の倍率が軒並み下がっている上に、教師不足が深刻化してきているようです。その理由も多岐にわたりますが、今回はそんな暗い話ではなく、もっと前向きに「教える」というのはどういうことなのかという事について論じます。

 少しハイレベルな内容になりますので、ある程度、授業が上手になった人向けです。周りの先生方から「授業がうまいね!」と言われた先にある「授業力」のお話ですから、興味のある方は読み進めてみてください。何かのお役に立てるかもしれません。

 

教え方が上手は入り口に過ぎない

 教え方が上手というのは、難しい内容を簡単に、分かりやすく教えることができる技術と言えるでしょう。基本は、教科書を教科書通りに教えることができるということですが、多少のアレンジや中心部が分かるレベルです。

 しかし、「本当に教え方が上手」というように、「本当に」が頭につくと上記のレベルは入り口に過ぎません。

 なぜなら、子ども達にとってみれば、簡単に教えてもらったことは簡単に忘れてしまうものだからです。教えてもらったことは忘れるのです。もう少し詳しく言うと、「教えてもらっただけのことは、忘れる」ということ。

 人は自分で経験したこと以外のことは理解できません。

 ですから、子ども達は「分かったつもり」にはなれますが、本当に理解した状態には至っていないということです。

 

 教え方が上手であるということと、子ども達に分からせるの間には壁があります。本当に教え方が上手な先生というのは、その辺りのことを理解しています。

 では、本当に教え方が上手な先生は何をしているのかということを簡単に説明します。以下の内容を理解すれば、冒頭で説明した「教え上手は入り口に過ぎない」に納得されることと思います・・・が、どうでしょうかね?

 

1 できるだけ簡単に分かりやすく教えると、子ども達が「できそうだ!」という気持ちになる。

2 しかも、簡単に説明するので、時間的ゆとりがある。

3 そこで生じた時間を使って、子ども達が自分の力で取り組んでみる。

4 教わったことが、本当の自分の力となる。

 

 上記の手順を踏むために必要なことが教育技術として多数あります(多数というか膨大ですが・・・)。いくつか紹介しますが、以下の内容は全て上記の4項目に直結しています。その繋がりが見えるなら、相当なレベルだと自負して良いでしょう。

 

・教師の説明は可能な限り短くする(話法技術)

・話を聴かせる、作業に集中させるなどの学習規律(学級経営力)

・明確な発問、指示、説明の技術(授業を構成する基本)

・励ましや褒めるなどの声かけ技術(褒める・叱る・勇気づけるなどの理解)

・インプットとアウトプットとのバランス(時間配分のマネージメント力)

・発問に関する基本技術

・ノート指導、本当のノートの使い方

・子ども達の発言、表現についての理解

 ・・・・・などなどなどなどなど。

 さらに付け加えるなら、上記の内容を「問題解決型」でやろうとか、「一斉指導の仕方」「個人課題の持たせ方」「グループ学習の形態やその効果について」などなど、様々な手法が絡み合ってきます。そして教科特性(国語とか算数の特性のこと)を織り交ぜながら授業を構築していくことになります。

 

 少し長くなってしまいましたが、要は「教えたらやらせる必要がある」ということです。自分で経験させることがポイントです。算数で教えた後、問題を解かせるのはそのためです。体育で教えた後にやらせてみるのもそのためです。

 

 上記の内容に達するためには、新採用から3年くらい勉強しまくって、ようやくその素地ができるレベルです。1番目の「授業が上手だね」と言われるレベルは、少なく見積もっても10年は勉強し続ける+実践(学級担任)が必須です。 

 

 本当に教え方が上手な先生は、子ども達の前から存在が消えます。

 先生は、子ども達が学ぶためのきっかけに過ぎません。先生のおかげでできるようになったと思われているうちは、まだ上記の状態には達していないと覚えておくとひとつの指針になるでしょう。

 

 ちなみに、本当に教え方が上手になると、その領域に達している先生もほとんどいないという単純な理由で、同僚からの理解も全く得られません。

 あなたは「何もしていないように見える」のです。

 あなたは消えます。

 

 最後までご愛読、ありがとうございました。

 自分で書いておきながら、分かりにくいだろうな~と苦笑しています。

 でも、もしかしたら、「分かる!」という方がいるかと思って、久しぶりの記事だったこともあり、理解が難しい話をしてみました。