新型コロナウイルスの影響でお父さんが自宅で仕事をするようになったため、通常よりも児童虐待の相談件数が四割も増えていると、ニュースの中で児童相談所の専門家という人が言っていました。
すると、それはずっと家にいるとストレスがたまってしまうとか、新型コロナウイルスは人々の心までもむしばんでいるということになり、解決のためには誰かに相談したり、ストレスをため込まないように工夫すると良いというアドバイスに繋がっていきます。
それはそれでいいのでしょうけれども一時しのぎでしょうね、というのが私の考えです。児童虐待と在宅勤務は、関係あるようで、実は関係ないのです。
だから、簡単に「コロナの悪影響だ」と言わない方がよいでしょう。
問題が混ざってしまいますから。
ストレスとは何か
ずっと家にいるからストレスがたまるのでしょうか。
コロナウイルスで通常の生活が出来ないからストレスなのでしょうか。
ちなみに、ストレスは外部から刺激を受けたときの緊張状態だそうです。
そうすると、家に居続けるという刺激や日常生活が送れないという刺激が、自分自身の心に緊張状態を引き起こしているといういう理論になります。
自宅にいることがストレスになるのなら、自宅とは何なのでしょうか。
仕事ができないことがストレスになるのなら、仕事でストレスになるのはどう説明したらよいのでしょうか。
日常生活を送ることが、ストレスのない生活だと断言できるのなら、なぜ日常生活を送っているのに心が病んでしまう人がいるのでしょうか。
連日、コロナウイルス関連のニュースが流れていますが、アンケートを受けた人の悩みの中で「学校がないから、食費が大変」というものや、「子どもが家でゲームばかりやっていて困る」とか言う人がいます。もちろん、全員がそうであるはずはないのですが、報道の中ではそう言う人を取り上げやすいという特性がありますので、目につきやすいのです。
報道は、もっと建設的な意見を採用して報道したほうが良さそうですが、おそらく様々な理由があって、私には理解しかねるような悩みの内容を報道するのでしょう。仕方ないでしょうね。
ストレスはもともとあったと考える
話が少しそれてしまいましたが、私が言いたいのは、外からの刺激によってストレスが発生するということは起こったとしても、その刺激によって緊張状態を生み出すのは、あくまでその人の心だということです。
人が持つ事情というのは、もちろん人によって様々でしょうから、私の主張だって、一側面を説明しているにすぎないのですが、ストレスの原因は自分自身の中にあるということは確かです。中にあるというか、中にしかないが正解です。
だから、これをやったら解決なんて、言えないのです。
そんなに簡単なら、ストレスというものは簡単だということになります。
ストレスは、かなり奥深いのです。
だから、そんなに簡単じゃありませんよ。
コロナウイルスの影響で、ストレスがたまると言いやすい環境になっているというだけです。本当は、もともとストレスで心が疲れ切っている状態なのです。
コロナウイルスは、感染をどうやって防ぐかということに集中して取り上げ、ストレスはストレスとして問題にしたほうが分かりやすいでしょう。混ぜて考えると、おかしな理論ができあがってしまいますから。