Nayunayu先生 ~愛のある教室~

現場教師の24年間の実践理論

「授業・指導で大切なこと」

初任者からベテランまで、もっと素敵な授業をしたい人の為に書きます。

名作「大造じいさんとがん」の授業

5年生の国語教科書にある物語文「大造じいさんとがん」は、名作です。教科書の掲載される物語文は、色々変わりますが、この「大造じいさんとがん」は、一度も教科書から姿を消したことがありません。なぜなら、名作だからです。これほど手厚く保護されている…

教科書を使って教える ~大切にするってどういうこと?~

今、私は5年生の特別支援学級を担任しており、先日の社会で「森林と共に生きる」という単元を学習しました。私は常日頃、子ども達に何度も何度も言い続けてきたことがあります。「今回は○○の勉強だけれども、○○の勉強は手段に過ぎない。分かりやすいように○○…

教材研究論

教材研究というのは、授業の前にあらかじめ準備をしておく研究です。研究という言葉が重々しいですが、「どうやって授業を展開しようかしら?」という準備であり、主な働きは「課題の設定」「主発問と指示」「流れや活動内容」「どんな力をつけるか」といっ…

困った状況をあえて作り出す

現在、特別支援学級で子ども達と携わっています。特別支援というのは、特別な支援を有する児童へのアプローチ。よく「困り感」という言葉が使われていて、通常の児童では困らないようなことが困るので、それを無くして、通常授業と同じような状況を生み出し…

学習規律とはただのマニュアルに過ぎない

このブログは教育特化ブログです。そのことを忘れていました。 教育的なことを書きます。 学習規律、これが数年前から流行ったのですが、私はこれに反対の立場です。しかし、学習規律ブームですから、多くの現場では「学習規律が整っている教室は素晴らしい…

どうして勉強しなくちゃいけないの?

子どもって、大人が困るような質問をすることがあります。 その中のひとつ「勉強」についての記事です。 同じような質問をされたことがある人は多いと思いますので、私なりの解が何かのお役に立てればいいなあと思って書きますね。 1 どうして勉強しなくち…

先入観を落としてありのままに見ること

人は必ずと言っても過言ではないほどに先入観に囚われています。その先入観は様々な理由によって構築されているので仕方のないことですが、もし先入観を落として物事を俯瞰することができたのなら、物事の判断というものが正確にできる可能性が広がります。…

くらしと道具の移り変わり

3年生社会で『くらしと道具の移り変わり』という単元があります。昔の道具を調べたり、暮らしの様子を知ったりすることや、自分の住んでいる町のうつりかわりを学ぶということで、広い意味では地理にあたるのかな? これを授業したのですが、子ども達の反応…

冬休みに賢くなる方法

いよいよ冬休みになりました。学校では「冬休みのきまり」とか「冬休みの過ごし方」なんてプリントを配布します。そこには「規則正しい生活をしましょう。」というような事が書かれています。まあ、それはその通りなので、異論はありませんが、ちょっと違う視…

「経験」と「体験」

本当に理解するためには「経験」するしかありません。「経験するしかない」ということが腑に落ちるには、やっぱり「経験するしかない」ということを「経験」する必要があります。もう結局、何でも「経験」なのです。このことが分かると、教育現場での指導の…

同じ問題はでないけど、同じような問題は出る。

子ども達に常日頃伝えているメッセージがいくつかあります。 そのひとつが「同じ問題はでないけど、同じような問題は出る。」という言葉です。この言葉を本当に理解し始めた子ども達から、問題を間違えることが減り、学習したことをよく覚えるようになってき…

教えないという教え

冬休みになりました。このブログは教育特化ブログなので、少しは真面目に教育について書くことにします。でも、あんまり人気ないんですよね~、教育は。それは「教育なんてされたくない」という単純な理由からだとは思いますけど。アレルギー反応みたいなも…

分かりやすく教えても子ども達ができるようにならない理由

教師は授業が生命線です。分かりやすい授業-子ども達が理解し「できるようになること」-を目指し、学力をつけていくのが使命といっても過言ではありません。もちろん、教師の使命はそれだけではなく、本質的にはもっともっと奥が深いのですが、一日のほと…

「授業」と「学級経営」は「車」の両輪ではない

「授業」と「学級経営」は「家」で例えた方が分かりやすい 小学校教師で担任を受け持っている人は、ほとんどの時間を教室で過ごします。 ひとつの教室を1年間預かり、毎日5時間~6時間を「勉強」を媒介として子ども達と建設的に過ごすというのは、なかな…

だって、仕方ないでしょ。それを選んだんだから。

(2019.12.14の記事を加筆・修正 2020.4.28) ※何かを選ぶということは、結果も選んでいるということです。 1 自分で「やらないこと」を選んでいる ある日の5年生の体育の授業でのことです。 (私は全学年の体育を担当していました) 準備運動をしていたら…

さわがしい教室の理想型

私の受け持つクラスは、たいてい騒がしくなります。そして、楽しそうです。 そのようなクラスを願ったとしても、この現象を見た多くの先生は、何が起きているのか理解できません。元気がよいクラスと騒がしいクラスは紙一重ですから。 そして、経験がないか…

勉強は楽しいのに楽しくないと思ってしまう理由

子ども達に「勉強は好きかい?」と聞くと、九割以上の子が「好きじゃない」と答えます。好きじゃない理由は「楽しくないから」でしょうね。 では、どうして楽しくないのでしょうか? そもそも勉強はもともと楽しいことではないのでしょうか? 私の答えは「ノ…

Let's think!

自分の頭で考える子を育てたいというのは、教師の切実なる願いです。 それは、教育が目指している「自主・自立」すなわち「生きる力の育成」でもあるからです。 しかし、それを実現するための授業は相当難しいのです。 自分の頭で考える子を育てるための授業…

初任時代の学び④-3 「たわむれ言いたい放題」

学級通信一考 (後編) さて、本校の現状はいかがであろうか。数年前まではそれほど見かけることもなかったが、今は4~5クラスを除いた多くの学級通信が頻繁に机上に乗せられてくる。他校も同様なのかとつい考えてしまう。特に昨年度からは、家庭だけでな…

初任時代の学び④-2 「たわむれ言いたい放題」

初任時代に林先生にいただいた手紙を読み返してみました。 A4用紙12枚にも及ぶ大作で、主に教師が心得ておくべき日常的な指導について書かれています。改めて読み返してみると、教育の不易の部分として大切なことだらけで、今の学校現場が忘れてしまってい…

子ども達に良い指導ができる先生になりたいなら是非読んでくださいね。

(2020.6.10 修正) 臨時採用(1年目)の同僚の授業を見てきました。 授業崩壊しています(学級崩壊ではありません。専科ですから)。 これは、仕方のないことです。 問題は、これをどうするのか?ということでしょう。 改善しなくては授業が収まらないことが…

一般的にはダメだけど、愛のある評価の物語

(2020.6.06 修正) 前々任校は小規模な学校で、赴任した年に5・6年生の複式を担任しました。 1回目の体育の授業で、体育館をとりあえず3周走らせました。 (1周、たぶん50メートルくらいかな?) びっくりしました。 全員、ハアハアと息を切らし、 「先…

「よく分からない」のに「分かりやすい」と言われている通知表の評価

「単元別評価」と「観点別評価」の説明 【単元別評価】 字の如く、単元ごとに評価する方法です。 算数が分かりやすいので、例にすると・・・・ かけ算は良くできたからA でも、概数はできがまあまあだったからB 図形はちんぷんかんぷんだったからC という…