Nayunayu先生 ~愛のある教室~

現場教師の24年間の実践理論

「よく分からない」のに「分かりやすい」と言われている通知表の評価

通知表

「単元別評価」と「観点別評価」の説明

【単元別評価】

  字の如く、単元ごとに評価する方法です。

 算数が分かりやすいので、例にすると・・・・

 

 かけ算は良くできたからA

 でも、概数はできがまあまあだったからB

 図形はちんぷんかんぷんだったからC

 

 という具合につきます。

 ※テストの結果です。

 

【観点別評価】

 

 字の如く、観点ごとに評価する方法です。

 やっぱり算数に登場してもらいましょう。

 

 かけ算は良くできたけど、まだわからないよ。

 概数は、まあまあだったからどうなるかな?

 あれ、図形はいまいちだったね。

 

 という具合につけておいて、それを観点別に分けます。

1 関心・意欲・態度は・・・・A

2 思考・判断は・・・・・・・B

3 技能・表現は・・・・・・・B

4 知識・理解は・・・・・・・A

 

 さて、どっちがいいのかな?

 

時代は観点別評価を採用してるけど

 私は、ずーっと「単元別評価がいいよ」と言っているのですが、一部を除いて、あまり理解されません。

 教育界は、観点別評価を採用したいのです。

 観点別評価の方が、単元別よりもすぐれているというのです。

 単元別は時代遅れということに認識されています。

 ホントかな?

 

「観点別評価」君の言い分は、ごく簡単に言うと、次のようになります。

1 学習指導要領で示されている評価基準が観点別ですよ。

2 授業は、観点別に評価しながらやりなさいと学習指導要領は言っていますから。

3 学習のどこにつまづきが見られるのか、保護者にも分かりやすいよ。

4 要録の形式も観点別って決まってるでしょ?

 まだまだ続きますが、大きいのは上記の4つで、もういいかな?

 

 で、ポイントは2つです。

 1つ目は、学習指導要領関連です。

 これは法的拘束力があるので、仕方ないでしょう。

 仕方ないのですが、国の方針も時々間違えます。ということは知っておくといいですよ。時々というか、国の方針も迷いながら進んでいるので、仕方ないのですが。

 話を戻します。 通知表と要録は違うのです。

 要録は決められているけど、通知表は学校裁量でどうにでもなる代物なんです。

 

 2つ目は、「保護者に分かりやすい」という主張です。

 これね~、保護者には分かりにくいですよ。

 もう、ずっと私は主張しているのに、あまり理解されないのはどうしてだろう?

 私が間違っているという可能性もあるんですが、

 どの角度から考えても分かりにくいんですよね。

 どう分かりにくいのかについては、膨大な量になるので省略しますが、代わりにエピソードを紹介します。

 

娘の通知表が変わった!

 娘(小4)の学校の通知表が、このたび、ようやく観点別に変わりました。

 変わるよーっていう通知が来たとき、

 

「単元別の方が良いのに・・・・」

と家の中で言ったら、嫁が

「そうなの? どうして?」

と聞くので、少し熱っぽく語ったのですが

「ふ~ん。 でも、必要だから観点別?になるんじゃないの?」

と言うので、

「いや、だからね、よく聞きなさいよ。評価ってのは・・・・・」

と、とても分かりやすく評価とは何なのかという根本から説明したら

「ふ~ん・・・。 ・・・分かった! よく分からないってことが分かった!」

と会話が終わりました。

 

 で、今日、通知表を持ち帰ってきました。

 ばっちり観点別になっています。

 嫁は

「これ、どうなの? 分かりにくいよー。きっと他の保護者も同じこと思ってるとおもうけど・・・。」

  

 ようやく私の主張を理解したようなので、

「だから言ってたでしょ?」

と得意気になって伝えると

「当事者にならないとあなたの話は分からないわ。 あのときは分からなかった!」

と理解をさらに深められました。

 

 

まとめ

 評価とは、子ども達の励みになるものが良いというのが私の主張です。

 励みになるためには、分かりやすさが必要です。

 そして、一番の励みは、愛情をかけて評価するってことです。

 

 観点別は、私の印象では機械的です。

 単元別は、私の印象では人情的です。

 

 時代遅れと言われているようですが、世の中が機械的になってきているようですが、

 人間を対象に行われる評価というのは、

 いつの時代でも「人情的」であってほしいのです。