Nayunayu先生 ~愛のある教室~

現場教師の27年間の実践理論

心と身体は一体であることについて

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 3年生の保健の授業で「けんこう」について授業しました。健康というのは、掘り下げていくとかなり奥深い内容ですが、3年生にどのように伝えると分かるのかを考えながら授業を進めてみました。その一部を紹介します。保健の授業だけでなく、「健康って何だ?」と考えたことのある人や、「健康になりたい!」と思っている人にも役立つと思います。

 

健康だと感じるときは・・・

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 まずは健康とは何かを知らなければ、健康について考える事などできませんから、初発問(子ども達に問いかけることを発問と言います)をします。

 

発問:健康だと感じるときはどんなときですか?

 

 実はこれは教科書に載っています。しかし、載っていることを見つけるのではなく、あくまで自分の経験をベースに発表してもらいます。まあ、おおよそ教科書に載っていることと同じような内容が出てきますが・・・。

 

・友だちと元気に遊べるとき

・食べ物を美味しく食べられるとき

・風邪などをひいていないとき 等々。

 

 さて、3つほど上げてみましたが、肝心なことが3つあります。なんだか分かりますか?

 

 まず1つ目は、3つ目の解答「風邪などをひいていないとき」です。これを病気と言う言葉に置き換えるともっと分かりやすいと思いますが、健康とは不健康、つまりは病気ではないときということになります。頭痛や胃痛、嘔吐、下痢、発熱など軽微なものから重大な病気全般におよびます。

 しかし、実はこれは説明になっていないのです。健康とは不健康でないとき、では不健康とはと聞かれれば健康ではないときということになりますから、結局、健康とは何かということについての説明にはなっていないのです。

 

 次に2つ目は、1つ目の内容とリンクしますが、健康な時には健康だとなかなか感じる事など出来ないという気づきです。友だちと楽しく遊んでいるときに、「ああ、自分はなんて健康なんだ。」と考えながら遊んでいる子どもなどいないのです。だいたいにおいて、健康についていつも考えている人は不健康なのです。本当に健康なら、その状態が普通なので、健康についてなど考えません。だからこそ、健康って何だ?と考える事が時には必要なのでしょうね。

 

 最後に3つ目ですが、解答の3つは全て身体について述べているということです。理由は簡単で、見えるので分かりやすいのです。

 

 3年生の児童がはっとしたように「分かった!」と言うので、何が分かったのか、発言を促してみました。すると、

「私のことなんですけど、身体は元気でも、友だちに嫌なことを言われたら元気じゃなくなることがあるから、心と身体は繋がってるなって思いました。」

と言うのです。素晴らしい気づきです。こうやって自分事として考えると分かるのです。知識だけでなく、自分の経験とリンクさせて理解することが大切なのです。

 

健康は心と身体が調子の良い状態のこと

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 教科書では、このように説明されています。しかし、先ほど述べましたように、身体は見えるけど心は見えないのです。ですから、その後に載っている教科書の例(健康になるためには)の項目は、「好き嫌いをせずに食べる」とか「運動する」とか「生活リズムを整える」とか「部屋の換気をする」と言った身体に関することが出ており、肝心の心についてはあまり載っていないのです。

 そこで、私は子ども達に伝えました。

「多くの人はね、健康って身体のことばかり考えるんだよ。それは見えるから分かりやすいんだよね。でも心と身体は完璧に繋がっていて、身体が元気でも心が元気じゃなかったらやっぱり身体も元気じゃなくなるんだよ。そして、見える身体の部分を大きく考えて、見えない心の部分は小さく考えちゃっている。でも本当は心の方が大きい。ちょっと大きいとかではなく、比べものにならないほど大きいんだよ。」

 

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 これを分かりやすいので「木」の絵を描いて説明しました。

 木の見える部分は、幹、枝、葉です。

 見えない部分は「根」です。

 すると、根は小さく見えます。ですからよく見てとさらに伝えます。

「根の他に何かない?」

 子ども達はしばらく考えますが、誰かが気づきます。

「土だ!」

「そうです。土がありますね。根だけでは成り立ちません。そして、土は隣の木にも繋がっているでしょう。」

 例えば葉が病気になったとします。それは切り落とせばなくなります。

 でも他の葉も同じように病気になるでしょうし、新しく生まれる葉も病気です。

 それは幹が病気になっているのです。でも幹を直すには根に働きかけるしかない。でも根に働きかけるということは土に働きかけるということになります。つまりは見えない部分です。

 家でも説明しました(分かりやすいので)。

 家でも大切なものは基礎です。基礎は見えなくなります。柱も大切でしょうけれども基礎ほどではない。壁は綺麗に見えます。でも外壁とうち壁の間、見えなくなる部分の構造は実は最重要です(特に北海道は断熱構造になるので)。

 

身体の健康法と心の健康法

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 心と身体は一体であり、それぞれに健康になる必要があり、片方だけでは不十分であり、心は身体よりも実は大きいと理解できましたら、具体的な方法はということになります。今日は最後に、その方法の一部をご紹介します。

 

 まずは身体の健康。

 これは世間に有り余るほど出ていますので、私が述べるまでもありません。

 運動・睡眠・食事を改善するというのが基本路線で、そこからあらゆることが派生しているだけです。

 

 では心の健康法は・・・。

 一つ一つは深い理由がありますが、長くなるので割愛します。

 方法だけ羅列してみますので、気に入ったものがあったらやってみてください。

 

・散歩(身体のようで心の部分が大きいです)。

・何も考えない。

・楽しいことをする。

・素敵な言葉をたくさん使う。

・自分は素敵だと何度も言葉にして言う。

・だらだら過ごしてみる。

・深呼吸をする。

・モヤモヤしているなら、全部出す(話を聞いてもらったり書いたりする)。

・お笑い番組を観る。

・自然と触れ合う。

 

 何か気に入ったのはありましたか?