Nayunayu先生 ~愛のある教室~

現場教師の27年間の実践理論

一言添える。「それ、いいね!」と。

「いいね!」とか「良かったね!」とか、相手がやっていることを肯定的に見ることは、簡単そうで難しいのが現状です。理由はいいと思えないからでしょう。

 でも、あえて、いいとは思えなくても「いいね!」という箇所を見つけたり、思っていなくても「いいね!」と添えることが大切なのです。

 イラストはカワイ子ちゃんなので、恋の話かと期待するかもしれませんが、子育ての話です。でも、子育ても恋も基本原理は同じですから、応用はできます。

 

メロンジュース、いいね!

 下のチビ姫が卒園しました。

 卒園式会場に自動販売機があり、母親にジュースを買ってもらったのですが、それが「メロンジュース」です。はっきり言って身体にはよくありません。でも、チビ姫が自分で選んだのです。

 私は「いいの買ってもらったね。」とだけ伝えました。

 上の姫もメロンジュースが好きでしたが、今はあまり飲んでいません。

 自分で考えて、水やお茶を飲むようにしているみたいです。

 それも私は「いいね!」としています。

 もう、なんでも「いいね!」でいいのです。

 何がいいのかというと、自分で選んだということがいいのです。

 自分で選んで、自分で考えて、その考えたこともいいね!とする。

 これが難しいのです。

 多くの場合、何か一言添えます。

「今回だけだからね。」とか「またそれ?」とか「身体には良くないんだよ。」とか「これでおしまいだからね」とか「どうなってもしらないよ!」とか、まあ、状況によって様々でしょうが、概ね反対意見であり、脅迫です。

 それを続けると、やがて子どもは学びます。「自分で選ぶと失敗する。誰かに決めてもらうのが正しいのだ。」「自分は自分で決める力がないのだ。」「私は自分で決めてはいけないのだ。」という具合に、まとめると自己否定感の育成です。

 

 よかれと思って言っていることは分かりますが、結果として自己否定感を育てることになり、そのことに気づけません。理由は「よかれと思っている」ことそのものが邪魔をしているからです。よかれと思っているのなら、それが害ありとは気づけません。

 

「いいね!」は魔法の言葉です。

他にも魔法の言葉はいくつかあります。

 

「ありがとう」という感謝の言葉。

「素敵だね」という褒める言葉。

「さすがだね。」という認める言葉。

「私は嬉しい」という有用感を育む言葉。

「がんばったね」というねぎらいの言葉。

 

 共通することは「私はあなたの全てを良いと思っているよ。」というメッセージです。失敗しようが成功しようが、悩もうが悲しもうが、それら全てを包み込む言葉。

 その第一歩として、練習として一言添えるチャンスは至る所にありますから、是非「いいね!」と言ってみてください。

 言葉って、本当に不思議なもので、そうは思っていなくても、言ったらそう思えるようになる側面があるのです。言葉の力は、人の持つ力の中では小さい方なんですが、それでもすごい影響力があります。

 できそうですか? うん? むりそう? まあ、それもいいね! それをやっている自分を想像したということをしたんだから、いいんだよ。できなくたって、やりたくなかったとしても、考えてみたんだから、いーんだよ。

 

 若手の同僚が頭が痛くて欠勤した翌日、私は「どう?治ったの?」と聞いたんです。すると「まだ痛いです。」というので、私は「いいね!」と言いましたら、「どこがいいんですか!?」という反応が返ってきました(笑)。

 まあ、私もふざけて言っているのですから、コントみたいなものです。でも、見方の問題でもあります。

「えっ、何がいいかって? そーだね~。頭が痛いってことはだよ、身体が正常に働いているってことだよ。そして、昨日よりも痛くないのなら、身体が回復し始めているってことだから、いいでしょう?」

「・・・まあ、そうですね。」

 

 なんでもこじつければ大丈夫です。

 なんでも「いーね、いーね。」と言ってみましょう。何かが変わるはずです。

 

「きみ~、いいね~。」

 

 さあ、練習です。

 これの状況を外側から見て「いいね!」と言えるでしょうか。

 

 ・・・これはさすがに無理があるかな?

 他者に迷惑がかかる場合は「いいね!」ができません。

 誤解がないように付け加えておきました。

 いいね!は相手を認める時に効果を発揮するのであって、私利私欲のために発動すればマイナス効果が出ますので注意してくださいね。

 今回は、あくまで、子育ての記事です。