Nayunayu先生 ~愛のある教室~

現場教師の21年間の実践理論

燃え尽き症候群になる人とならない人

燃え尽き症候群


 私は長らく部活動をしてきました。また、少年団活動の指導者としても携わってきました。その中で、「燃え尽き症候群」という現象を見てきましたし、自らも経験しました。今回の記事は、その原理を説明し、その状態を位置づけ、どうすれば良いのかという対処方法を書いてみます。

 

燃え尽き症候群になる人とならない人

 分かりやすくするため、部活やスポーツで考えてみますが、他のことでも当てはまりますので、自分に合った状況で考えてください。

 例えば、サッカー部で一生懸命やっている人がいたとします。

 ずっと頑張り続けられる人と、途中でやめてしまう人がいます。

 大きく分けると、この2つなのですが、さらに分かれます。

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A ずっと続けられているし、無理をしているけど、努力を続けられる人。

B ずっと続けられているし、無理もしていない。

C やめたけど、その前にはかなりやっていた人。

D やめたけど、そもそもたいしてやっていなかった人。

 

 さて、上記のように4つに分けてみると、「燃え尽き症候群」はCであることが分かります。そして、AとCが「燃え尽き症候群」に関係があることが分かります。Dは始めから燃えていないので「燃え尽きる」ということ自体が起こりません。

 すると、Bの状態が一番良さそうだということになりますが、スポーツで結果を残そうと思えば、Aの状態が求められます。

 つまり、結果を出すためには「無理をする」ということが起こるわけです。そして、その「無理をする」というのは「努力」という言葉に置き換えられます。

 この「努力」が自分のやりたいことならば、「無理」ではなくなりますから、「燃え尽きる」ということはありません。これを支えるのが「自己肯定感」ということになります。「自己肯定感」が高いというのは、他者の評価ではなく、自分自身の評価に左右されますから、自分がやりたいのか、やりたくないのかを基準に考えることができるからです。

 しかし、努力が「無理をしている状態」ならば相当苦しく、その苦しみを強い精神力で突き進む人が「燃え尽き症候群にならない人」で、その無理をやめた人が「燃え尽き症候群になった人」です。

 

 以上をまとめると、次のようになります。

①燃え尽き症候群にならない場合、強い精神力を持っているか、高い自己肯定感を持っている。

②ただし、強い精神力を持っていたとしても無理をしているのなら、燃え尽きる可能性はある。

③それは、自分のやりたいことを見失い、不自然な状態であるからである。

④周りから見て無理をしているように見えても、本人がそれを本当に望んでいるのなら、無理はしていないので自然な姿、自然な努力であるから燃え尽きない。

 

 

燃え尽き症候群になってもOKです

 さて、多くの人たちは、誰かが「燃え尽き症候群」になったら、良くないと思ってしまいます。それは、見た目には「頑張っていた人」が「頑張らなくなった」という風に見えるからです。

 しかし、ここまで説明した内容を踏まえると、燃え尽きたということは、かつては燃えていたということであり、その燃え方が不自然であったということです。

 少し違った角度でも考えてみると、燃え尽きるためには、燃えていた時期が必要であり、それを経験したということでもありますから、それだけでたいしたものです。

 燃え尽きたというのは、「もう、いいや!」と捨てたということです。

 あまりにも一度にたくさんのことを捨ててしまったように見えるので、「やる気がなくなった」ように見えるかもしれませんが、本当は違います。

 やる気がなくなったのではく、不自然であることをやめたのです。きっと、相当な無理をして頑張り続けたのでしょう。そのような人に「頑張らなくなった」などと言ってはいけません。「よくここまで頑張れたね」と言ってあげましょう。

 以前、「原点回帰」という記事を書きましたが、有名なアスリートの中にも、このような事例は数多くあります。 

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  つまり、一生懸命に燃えていたという事実は、本来それがやりたかったから生まれたということを示しています。好きでやっていたことが、いつの間にか苦しくなってきたという状態が「無理をしている」ということ。それは、自分の内側から生まれたはずの「やる気」が、いつの間にか外側の期待みたいなのに影響を受けすぎてしまい、外側に起こる現象に左右されてすぎて自分を見失ってしまい、苦しくなったのです。

 多くの人は、「苦しいからやめる」=「自分は弱い」と思ってしまいますが、そうではなく、本当は「自分は不自然に無理をしていることをやめる」という宣言をしたということに過ぎないのです。苦しいからやめるを選択した人は、本当は強いのです。「自分の弱さを認められた人は強い人」と言うこともできます。

 

燃え続けるための処方

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 燃え尽きたって別にOKなのですが、何かに燃え続けられるのならば、それも楽しいでしょうから、最後に「燃え続けるための処方」について書きます。

 

 それは、最初に述べたBの状態を目指すことです。

 B ずっと続けられるし、無理もしていない。

 

「無理をしない」ということです。

 自分の器に合わせた努力をしていくか、自分の器を大きくしながら進めるか、あるいは「自分がやりたいからやっている」と意識的に活動するか、やり方は色々ありそうですが、大きなポイントは、なるべく「自然体」で取り組むといことです。

 よく「サッカーが趣味です。」とか「毎朝、気持ちが良いから走っています。」というような話を聞きます。「趣味」にしたり「習慣」になっているものは、燃え続けられます。激しい燃え方ではないかもしれませんが、それで良いのです。

 激しく燃えれば燃え尽きやすいし、チロチロ燃えていれば燃え続けられます。簡単な原理です。どのように燃えたとしても、消えてはいないのですから、その人にあったやり方でOKだということです(たとえ消えたとしても、また火をつければよいだけです。)。

 激しく燃えてもいいし、チロチロ燃えてもいいし、違う場所で燃やしたいと、燃える場所を変えてもいいと、自分自身で納得できるまで考えることです。そうやって、自分で考えてする「努力」は「無理はしていない」ということになりますから、「自然な姿」になります。

 

 勉強が嫌になったとき、仕事を辞めたくなったとき、何もかもどうでもよくなったときなど、一度「本当は何がしたかったのかな?」と自分自身に問いかけてみるとよいかもしれません。そして自分自身で納得できたとき、自分の中のエネルギーが増え始め、「もう一度火をつけよっかな~」と思えるはずです。

 

 燃え尽きたってOKです。

 

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こういうグッズがあると、走るのも楽しそうですね。